「転職したら仕事の仕方が変わることもあるんだから」 日本で14年間プレーしたブラジル人元Jリーガーが語る、外国人選手の「見極め方」
「日本だったら通用する」と考えていたら通用しない
―どんな選手が、日本のサッカーに順応して力を発揮すると思うか。 「規律正しく、ハングリー精神を持っている選手だ。少しでも『日本だったら通用する』という考えを持っている選手は多くが成功しない。そして『聞く耳』を持っていること。つまり、謙虚さだ。日本とブラジルでは生活環境や文化が異なるので、自分も驚いたことがたくさんある。目指す目標が同じだったとしても、日本とブラジルでは到達するための道が全く違うこともある。だから『絶対にこの道が正しい』『これは絶対に曲げられない』という考えにとらわれると、みんなと一緒に前に進めないことがある。
サッカーの才能はあまりなかったけれど
『自分はいま日本にいる』ということを理解しなければいけない。『日本という国が自分に慣れる』のではなく『自分から日本に慣れる』しかない。そういう考え方を持つことが大切で、考え方がオープンな選手を探したいと思っている。パウリーニョという選手を見ても、正直、サッカーの才能はあまり持っていなかったし、特別に上手な選手でもなかった。でも、長所として(環境に)慣れやすく、聞く耳を持つ心があった。だから、これだけ長く日本でプレーできたと思っている。一般社会でも(転職などで)働く会社が変わった場合、仕事の内容が同じでも、方法が全く変わるケースがあるじゃないですか。でも、その環境に慣れなければいけない。頑固すぎたり、融通が利かないほど自分自身を持っていたりする人はなかなか成長できない場合がある。松本山雅を助けられる選手を発掘できるように頑張るし、その選手が少しでも早くチームになじめるようにサポートしていきたい」