東市街地の高潮対策として設置されたポンプ（舞鶴市浜）＝舞鶴市提供

　京都府舞鶴市はこのほど、高潮で道路冠水などが発生する東市街地で、「高潮対策ポンプ」2カ所の運用を開始した。頻繁な高潮被害の発生で住民生活に影響が出ており、新たな対策で被害軽減を図る。 　西市街地も含めた高潮被害は、2013年以前は10回以上発生する年も多かったが、14年以降は5回以下にとどまっていた。今年は既に6回発生し、延べ84戸が床下浸水、107路線が冠水した。 　市は今年、海に注ぐ浜地区の水路2カ所に、毎秒0・8トンの排水能力を持つポンプ2台ずつを設置した。工事費用は計833万円。 　高潮が予想される際、市職員が水路にせき板をはめて逆流を防止した上で、ポンプを稼働させて水を海に排出する。ポンプに雨水を排出するまでの能力がなく、雨天時は使用できない。 　現在、高潮が起きると道路を通行止めにして対応しているが、その必要が低減される見込みという。 　舞鶴湾の平均的な海水面の高さは、40年前から約20センチ上昇。市は「今後も地球温暖化の進展で海面水位の上昇が続くものとみられる」と高潮への警戒を強めている。 　鴨田秋津市長は8月下旬の定例会見で「雨水管理計画に大型ポンプの設置が盛り込まれているが、それが実現するまで少しでも被害を軽減していきたい」と話し、今回の対策ポンプの効果を検証した上で他の水路にも増設する考えを示した。