「吉川さんは校区の宝」 地域の魅力調査で農家見学 徳之島・兼久小の児童
鹿児島県徳之島の児童が地域の魅力を伝える「われんきゃガイド」の地域調査が16日、天城町内であった。兼久小学校(福健一郎校長、児童63人)の5、6年生の児童20人が同町大津川にある吉川勝也さん(40)のパッションフルーツ園を見学。農業にかける思いや工夫などを聞き取り調査した上で、「吉川さんは校区の宝です」と太鼓判を押した。 「われんきゃ」は島の方言で「子どもたち」の意味。児童らが地域の自然や文化、歴史に理解を深め、将来の観光地域づくりを担う人材育成につなげようと2016年度にスタート。今回の調査は兼久校区の新たな魅力発見のために実施した。 吉川さんのパッションフルーツ園では収穫体験もあり、吉川さんから児童へパッションフルーツがプレゼントされた。 児童らは「農業をやっていてうれしいことは?」「失敗したらどうするの?」などと質問。吉川さんは「失敗したら悔しいけど、次こそは良いものを作りたいと思って頑張る。そうして作ったものを皆さんに食べてもらって『おいしい』と思ってもらうことが一番うれしい」と答えた。 児童の一人は「苦労や失敗があっても諦めずにいろんなことに挑戦し続けている吉川さんはとても偉いと思いました。これからも兼久校区の宝として農業で地域を盛り上げていってほしいです」と感想を語った。 吉川さんはパッションフルーツのほか、サトウキビとメロンを生産していて、最近はライチの栽培にも着手。われんきゃガイドらの〝お宝認定〟に対して、吉川さんは「少し照れくさいけど光栄です。将来、若い人が農業をしたいと思ってくれるように今後もいろいろなことに挑戦していきます」と笑顔を見せた。 児童たちは、パッションフルーツ園の見学に先立ち子牛生産に取り組む藤岡銀次さん(23)の堆肥場も見学。農業にとって大切な土づくりや微生物の力についても学んだ。
奄美の南海日日新聞