コロナ禍を経て様変わりした「賃貸ニーズ」…いま注目の〈空き家活用法〉とは?【空き家収益化のプロが解説】
「賃貸」と一口にいっても、その用途は多岐にわたります。すぐに借り手がつくような賃貸物件にするには、どんな工夫が必要なのでしょうか。本稿では、三木章裕氏の著書『実家の「空き家」超有効活用術』(フォレスト出版)より一部を抜粋し、「空き家・古家」を賃貸活用する際に注目すべきポイントについてみていきます。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング
住宅、店舗、倉庫…「賃貸」の用途を考える
ひと言で賃貸するといっても、さまざまな用途があります。 一般の不動産と考えると、住宅、店舗、倉庫、事務所、工場、農業、再生可能エネルギー関連など、多種多様な用途が考えられます。 自分の空き家・古家は、どんな用途に向いているのだろうか? そこを考えるところから始まります。 「空き家・古家を活かす」という範疇で考えれば、まず最初は元々使われていた用途での活用を考えるべきでしょう。奇抜な利用法を考えても、イチからマーケット調査しなければ、使いものにならない物件を作ってしまうだけです。 住宅系でいえば、のちほど詳しく解説する、「賃貸住宅」か「宿泊施設」でしょう。 店舗が通用するのは、「ある程度アクセスがいい場所」という限定で、飲食店や食品販売、雑貨販売店、地元の会館や記念館などの賃貸不動産として可能性があるかもしれません。 少なくとも、住宅賃貸需要がないようなところでは、商業利用である店舗系は難しいと思われます。
「賃貸住宅」「宿泊施設」として貸す
まずは、「賃貸住宅」としての需要があるかの検討が最初のステップです。 例外的に、商業的住宅利用としては、最近話題の「民泊」があります。 コロナ禍が落ち着いた今、将来性は高いのです。 大阪では2025年に大阪・関西万博が開かれる予定、またIR(統合型リゾート開発)も、各地で名乗りをあげています。また、北海道でも着々とリゾート開発が進んでいます。今後の日本の方向性としても、観光が一大ビジネスマーケットであることは、コロナ前の来日した海外観光客の様子を見ればわかります。 経済界の予想では、民泊やホテルなどインバウンド需要に支えられてきたビジネスモデルの需要の完全回復は、2025年の大阪万博開催の頃までかかると予想されていますが、私はもう少し早く回復していくように思うので、準備を怠らずご検討ください。 具体的にどんな賃貸方法があるか、それぞれ見ていきましょう。 ◎民泊利用 現在は、海外からの訪日外国人旅行者も増え、観光庁の発表では2018年で3119万人となり、政府は2030年には6000万人にする拡大目標を掲げています。そのため、全国では民家を利用した民泊が増加しています。政府も、東京都や大阪府および大阪市などを特区として推進、後押しをしています。 今後も訪日外国人対象の民泊需要は拡大することが予想されるので、特区エリアや観光地の駅近などは、住宅の賃貸より民泊に活用されることが増えていくことは確実です。 一度、自分の物件の周辺に民泊がないか検索してみると、動向がよくわかります。 もし周辺にも民泊が行なわれており、需要が多い場合は、民泊の代行業者などに物件を見てもらうのもいいでしょう。 もし民泊利用できれば、一般の賃貸住宅の家賃収入よりは高い収入が得られるはずです。