ロッテのドラ1佐々木が斎藤佑樹に投げ勝ちプロ初勝利!
千葉ロッテのドラフト1位、佐々木千隼(22、桜美林大)が6日、千葉のZOZOマリンでの日ハム戦でプロ初先発、5回、97球を投げて3安打1失点5奪三振の内容で、日ハムの先発、斎藤佑樹(28)に投げ勝ち、チームの援護点もありプロ初登板、初勝利をマークした。楽天のドラフト9の高梨雄平(24)が対ソフトバンク戦で2番手登板してラッキーな白星をマークしていたため時間差で12球団一番乗りとはいかなかったが、チームは連勝、外れ1位で5球団が競合した実力を見事に証明して見せた。 風速11メートルのマリン名物の強風がルーキーに容赦なく襲いかかった。 「変化球が曲がりすぎた」。強風の影響を受けて変化球が制御できない。5回を毎回の6四球。 「まだまだ満足のいくピッチングではない。自分で自分を苦しめた」 佐々木は納得していなかったが、不思議と“荒れた”というイメージはない。 ボールになるのも膝から下。昨秋のドラフト前に各球団のスカウトは“安定感”を佐々木の代名詞として語っていたが、簡単に崩れない修正力が佐々木らしさなのである。 二回には連続四球から一死一、三塁で昨年の本塁打王、レアードを迎え、曲がりすぎたと感じたスライダーを4球続けてショートフライに打ち取った。 「最初は風に戸惑ったが、田村がそれをうまく使いカーブを有効的に使ってくれた」 三回には、一死二塁から高めに浮いたボールを西川にレフト前へ流し打たれて同点にされ、さらにプロ入り初の「2番・DH」で起用された大谷翔平を迎えた初球に盗塁を許し得点圏に進まれた。しかし、左打者の外へツーシームのように動くストレートでセンターフライに。猛打賞と2本のタイムリーでルーキーを援護した“アジャ”井上が、「走者を出しながらも抑える。何かを持っている投手」と佐々木を表現したが、確かにピンチにこそ威力を発揮するハートと闘争心の強さを備えている。 圧巻は5回だった。無死二塁から西川を落差のあるスライダーでスイングアウトにとった。この日、一番良かったボールは、この佐々木に投じたスライダーだったという。 続く大谷を外へ逃げるように落ちるシンカーで連続三振。大谷のことは「打席に立っているだけでオーラがあった。凄いバッター」と感じたが、結局、1本のヒットも許さなかった。 近藤には四球を与え一、二塁となったが、中田翔を三球三振。最後も落差のあるスライダー。佐々木はグローブを叩き雄叫びを挙げ、侍ジャパンの5番打者はクビを数回、横に振った。 97球も球数を使ったために、ここで降板通告。だが、井上が連続タイムリーで斉藤から奪ってくれた1点のリードを守り、プロ初勝利の権利を持ったままマウンドを降りた。