美容皮膚科医が解説する“朝ビタ夜レチ”の正解とおすすめコスメ
◾️ 夜レチ=レチノール 「レチノールはビタミンAの一種で、シワの改善を期待できる成分が含まれています。レチノール自体はいろいろなスキンケア製品に入っていますが、高濃度でなければシワ改善効果はあまり期待できません。また、肌への刺激が強い成分なので、はじめて使う場合は毎日ではなく数日置きに使う、もしくは少量に抑えるなどする必要があります。お肌が慣れてきたら徐々に使用頻度や量を増やすのがおすすめです」
朝・夜で使い分ける理由は?
それぞれの美容効果がわかったところで、もう少し具体的に朝と夜の使い分けが必要な理由をみていきましょう。また、なぜビタミンCは朝で、レチノールが夜なのかもうかがいました。 ・高濃度同士のかけあわせが刺激に 「どんな成分でも、高濃度になればなるほど、お肌への刺激は増えてしまいます。ピリつきを感じたり、ひどい場合には、赤みが出たり痒くなったりしてしまうことも。そのため、高濃度と高濃度を掛け合わせるのはあまりよろしくありません。1度のスキンケアで取り入れる美容成分は1種類に留めるのが基本。もしどうしても一度に複数の成分を取り入れたい場合は、複数の成分が1本にまとまっている製品を使うのがおすすめです」 ・紫外線に対する特性が決め手 「ピュアレチノールは紫外線に当たると分解されて効果がなくなってしまうので、日中よりも夜に使うのが主流になっています。その一方で、お肌の酸化を防いでくれるビタミンCは、紫外線を浴びる前に塗るのが効果的。この2つの理由から、朝はビタミンC、夜はレチノールを取り入れたスキンケア習慣が定着してきています」
スキンケア化粧品選びのポイントと注意点
スキンケア製品の成分についてくわしく理解するのは、なかなか難しいもの。でも、日本の製品にはわかりやすく作られているものがたくさんあるそう。 「日本の製品は、パッケージにニキビ、乾燥、シミ、シワ、毛穴、くすみ、赤み、たるみといったお悩みキーワードや、アンチエイジングといった得られる効果が、記載されているものが多いので、それらを目印に選ぶのがおすすめです。また、よほど成分が強いものでない限り、日本の製品は万人が安全に使えるような成分量のものが一般的です。それに対し、海外の製品は少し注意が必要。海外の製品が悪いというわけではありませんが、薬事法により成分表記の仕方が日本の製品とは異なるので誤解しやすいことがあるということを理解しておきましょう」 また、化粧品の情報をSNSなどから得る際にも注意が必要です。 「 “流行っているもの”=“自分に合うスキンケア”ではないということを忘れないでください。 もちろん、流行っているものには流行っているなりに優れている理由があります。ですが製品を紹介している人の肌には合っても自分の肌には合わない、ということもあるので、情報を鵜呑みにしすぎないことが重要です」