ピンチで「出番来い」 東邦・岡本、投攻守で獅子奮迅 センバツ
◇センバツ高校野球第9日(28日)3回戦 ○報徳学園(兵庫)5―4東邦(愛知)● 【白熱の報徳学園vs東邦を写真で】 ピンチにも動じる気配を見せず、マウンド上で堂々と振る舞った。六回から2番手で救援した東邦・岡本昇磨。獅子奮迅の活躍を見せていたが、最後は自身の一球でサヨナラ打を浴びた。「自分がいいプレーをできても、チームが勝てなければ自己満足になってしまう。悔しい」と笑顔はなかった。 右翼手として先発し、二回の守備で最初の見せ場が来た。2死満塁のピンチで相手打者が放った右翼線寄りの安打にチャージし、素早く本塁に返球して二塁走者をアウトにした。先発のエース宮国凌空はこの回5安打を浴びたが1失点にとどめ、「普段の守備練習から、打球へのチャージと返球ラインを意識している。とっさの判断で普段のプレーが出た」と胸を張った。 過去2試合と同様、救援でマウンドに上がると相手打線をゼロに抑え、3点を追う七回には先頭で右中間二塁打を放ち、同点劇の足がかりとなった。 ピンチの時は「自分に出番が来い」と思うほどの強心臓。ただ、延長十回タイブレーク1死満塁のピンチで、渾身(こんしん)の135キロの直球で詰まらせたが、右前に落とされてサヨナラ負けした。「納得のいく球を投げられたが、それでも打たれた。もっと力をつけたい」。目標にしていたセンバツ単独最多59勝目は後輩たちに託し、聖地を去った。【伝田賢史】