【新日本】エル・デスペラード BOSJ制覇で本隊強化へ動く…ロス・インゴをチクリ「お前らが体制じゃねえか」
悲願達成だ! 新日本プロレスジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」決勝戦(9日、大阪城ホール)は、エル・デスペラードが石森太二(41)を撃破し、初優勝を飾った。転機の一つとなったのは今年2月、約9年半にわたり共闘した盟友・鈴木みのるとの別れだ。新日本本隊の一員となり、BOSJも手に入れた〝ならず者〟の今後の使命とは――。 【写真】デスペラードが長年在籍した「鈴木軍」 大阪城のメインで実現した大一番。デスペラードは渾身のピンチェ・ロコで石森を沈め、8度目の出場でついにBOSJを手に入れた。試合後にIWGPジュニアヘビー級王者SHOから対戦要求されると、「誰も入れないように、金網つけよう」と提案。金網形式での王座戦が急浮上した。 ベルトを強奪された2月札幌大会の雪辱チャンスが訪れた格好だが、同大会では大きな転機もあった。2014年7月の鈴木軍加入から共闘してきたみのるとの別れだ。デスペラードの王座戦直後、みのるは2人だけとなっていた「ストロングスタイル」の解散を宣言。以降は国内の新日本マットに上がっていない。 「別に(みのるに)依存はしてなかったけど、いよいよ所属するユニットもなくなって、これで腹くくって本隊だなと。どこかのユニットにくみするとか、自分が立ち上げるとかはねえなってのは感じたね」 もともと鈴木軍に入る前は本隊の一員だった。〝古巣〟に戻る選択は、みのるとの絆の強さの証しでもある。「鈴木みのるのつくったユニットにいる時の居心地の良さっていうのかな、今でいえば。昔は本隊にいても、どこにも所属していないみたいな感覚があったのかもしれない。でも10年近く鈴木さんとやらせていただいて本隊に戻った。まあ、面白い巡り合わせだね。俺が新日本以外で所属したユニットは鈴木さんのつくったユニットだけだったなって感じだよ」と胸中を明かす。 くしくも棚橋弘至社長の示した指針の一つに「本隊の強化」が挙げられたばかりだ。デスペラードは「ぶったまげたね。やっぱりお前ら(フロント)もそう思ってたんかい!って」と苦笑しつつ、本隊の主張の少なさにはかねて思うところがあったという。 「体制が弱いから、もともと反体制だったはずのロス・インゴ(ベルナブレス・デ・ハポン)が支持率でいったら一番高いんじゃないの? お前らが体制じゃねえか、みたいな。その逆転現象は正さないといけない」と言い切る。 「俺ってみんなを引っ張っていくぜみたいなのが得意じゃなくて。でも、裏でアドバイス的なものは金丸(義信)さんからさんざんもらってきたから。俺が鈴木さんや金丸さんからやってもらってたことをこれからやってあげないといけないのかなって感覚かな」。誰もが認めるジュニアのトップとしてかかる期待は今後より大きくなる。悲願のBOSJ初制覇から、次なるステージへ向かう。
岡本佑介