楽天の快進撃は春の珍事か?
楽天が開幕ダッシュに成功している。 開幕8試合を終えて7勝1敗で単独首位。開幕投手に指名したFA移籍の岸がインフルエンザで直前離脱、期待されていた安楽も故障が発生するなど不安要素があったが、蓋をあけてみると、3カード連続の勝ち越し。星野仙一監督を擁して日本一となった2013年でもあり得なかった快挙だ。 梨田監督は、「1試合、1試合、目の前の試合に集中していくだけだが、カードの頭を取れているのが大きい」と言う。 快進撃を支えているのは打線だ。チーム打率.272、チーム得点49はいずれもリーグトップ。得点圏打率.329もオリックスの.402に次ぐ2位。 活性化させたのは、1番に2年目の茂木を置き、2番にペゲーロ、3番にウィーラー、4番にアマダーと外国人3人並べて、5番に銀次を置くという超強力布陣。「2番・最強打者論」に基づき、長距離砲のペゲーロを2番に配置しているのがポイントで、もちろん2番にバントの戦術はなく、チームの犠打率も71.43%でリーグで一番低い。 開幕カードのオリックス戦ではペゲーロの一発で2試合勝った。昨年のシーズン途中に入団したペゲーロは、日本野球に適応したのか、ここまで打率.370、3本、10打点と絶好調。そのペゲーロを触発しているのが、1番の茂木で、昨季は7本塁打だったが、すでに3本塁打、10打点。 梨田監督も「茂木は長打力も足もあるので1番で使っているが、1、2番で10試合で6本塁打ってなかなかないこと」と、1、2番の破壊力にご満悦で、茂木自身も「去年は、なかなかホームランがでないのであせりがあったが、今年は1本がすぐに出て楽になっている。対応できている打席が多い」と言う。 まだ3番のウィーラーが.162で0本0打点、4番のアマダーが.143で0本3打点と沈黙しているが、5番の銀次が.355、1本、6打点と好調で“スイープ(掃除人)”の役割を果たしていて打線が切れずにつながっている。梨田監督も、「ウィーラー、アマダーがうまくつながってくれば、もっと点が取れる」と言う。実は、超強力打線は不完全な状況で、これだけ点を取れているのだ。 開幕から4試合に出場して14打数8安打、3二塁打、3打点と活躍していた今江が右足を痛めて登録抹消となったが、下位打線で、岡島、藤田が打率.375と当たっているので、その抜けた穴も深刻ではない。 「恐怖の1番」と化している茂木は「どの打順からも点が取れる雰囲気がある。ツーアウトからでも誰かが出れば、打線がつながるし、一人でもランナーが出れば、なんとかなる雰囲気があるんです」と証言した。