年収900万円です。あと少しで1000万円到達ですが、生活レベルはさほど変わらないと聞きました。なぜですか?
100万円は、多くの人にとっては大金です。年収900万円と年収1000万円では、さぞかし生活レベルに違いがあるのでは? とイメージする人が多いでしょう。しかし実際には、年収900万円と年収1000万円の生活レベルは、想像するほど大きな差がないと考えられます。 本記事では、年収900万円と年収1000万円の手取り額や生活費の平均額、受けられる公的支援金や控除の違いを比較し、両者の生活レベルがどのくらい違うのかを分かりやすくまとめました。
年収900万円・年収1000万円は平均給与を大きく上回る
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均給与(1年を通じて勤務した給与所得者の平均)は458万円です。年収900万円は平均給与の約2倍、年収1000万円は平均給与の2倍を80万円以上上回っており、いずれも高収入といってよい水準でしょう。 また、給与所得者のうち800万円超900万円以下の層は全体の2.9%、年収900万円超1000万円以下の層は全体の1.9%で、年収の上位1割に属しています。
年収900万円・年収1000万円の手取り額の違い
年収900万円と年収1000万円の手取り額の違いを比較してみましょう。 《条件》 ・東京都在住の20代 ・所得控除は基礎控除、社会保険料控除のみ 年収900万円の人、年収1000万円の人の社会保険料・所得税・住民税はそれぞれ図表1のとおりです。 【図表1】
筆者による概算(参考:全国健康保険協会「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)」および国税庁HP・東京都主税局HP) 額面では100万円の差がありましたが、手取り年収では約67万円に差が縮まります。また、手取り年収を月収に換算すると、年収900万円は手取り月収約55万円、年収1000万円は手取り月収約61万円となり、その差は6万円です。額面の差100万円からイメージするものよりも、手取り収入の差は小さく感じられるかもしれません。