ソン・ガンホが語る、ディズニープラス『サムシクおじさん』はなぜ、配信直後から話題なのか
『パラサイト 半地下の家族』『ベイビー・ブローカー』などで知られるソン・ガンホがデビュー35年にしてドラマに初挑戦。配信直後から好評が相次いでいる『サムシクおじさん』はビジネスパーソンとしてキャッチアップしておきたい。 【写真10点】ディズニープラス『サムシクおじさん』のシーン
世界の映画スター、ソン・ガンホがドラマに初挑戦
近年、韓国オリジナルシリーズに力を入れている動画配信サービス「ディズニープラス」。 三池崇史監督が演出を務めた『コネクト』や、制作費約70億円が投じられた『ムービング』など、話題性と作品性を兼ね備えた大作が次々と配信されている。 2024年5月15日から配信がスタートした『サムシクおじさん』も注目作だ。韓国では配信前にここまで注目されたドラマがあったかと思うほど、話題性に富んでいた。 映画『パラサイト 半地下の家族』で知られる韓国屈指の名優ソン・ガンホが主演することはもとより、彼が35年の役者人生で初めて出演を決めたドラマ作品というので、誰もが好奇心を抱かざるを得ない。 メディアは「ソン・ガンホのドラマ初挑戦」「ソン・ガンホのドラマデビュー」といった枕詞をつけて『サムシクおじさん』を取り上げている。 先日、そのソン・ガンホをはじめとする『サムシクおじさん』の主要キャストたちがゲーテのためにオンライン・インタビューに応じてくれた。 インターネットを介した非対面取材とは思えない熱量で、ソン・ガンホはドラマ初挑戦の理由を次のように語った。 「コロナ禍を経験しながら、どうすればより効果的に観客と交流できるかについて多くの悩みがあった。今は色んな形のコンテンツが色んなプラットフォームで消費される時代なので、俳優たちにも色んなチャレンジが求められる。そんなことを思っていたところ、ちょうど『サムシクおじさん』という作品に出合って僕もその自然な流れに乗ったまでです」
政財界の陰で暗躍する謎のフィクサー”サムシクおじさん“
韓国では国民俳優という称号まで得ているソン・ガンホに「時流に乗ろう」と思わせた『サムシクおじさん』とは、一体どんな物語なのか。 舞台は戦後の苦境にあえぐ1960年代の韓国。 政財界の陰で暗躍する謎のフィクサー”サムシクおじさん“と、国の運命を好転させようと奔走するエリート青年が、豊かな国づくりを目指して不穏なパートナーシップを結び奮闘する様子を描くヒューマンドラマだ。 ソン・ガンホは“戦争中にも周囲の人たちだけは一日三食食わせた”ということで「サムシク(三食の韓国語読み)おじさん」と呼ばれる表題役のパク・ドゥチルに扮する。 アメリカ留学から帰ってきたエリート青年キム・サンを演じるのはピョン・ヨハン。ドラマ『ミセン』や『ミスター・サンシャイン』、映画『ハンサン ―龍の出現―』などに出演して実力派俳優として着実にキャリアを積んでいる。 ピョン・ヨハンに出演を決めた理由について尋ねると、こんな答えが返ってきた。 「まるでその時代を生きた人が書いたかのように繊細な台本で、その時代の香りさえ漂う気がした」 シナリオに惹かれたのはピョン・ヨハンだけではない。チン・ギジュや ファン・ステファニー・ヤン(少女時代のティファニー)など、ほかの俳優たちも出演の最大の理由を「台本に魅了されたから」と口を揃えた。