ランキング上位は「アニメ」と「コミック原作」ばかり…邦画界に「実写オリジナル作品」が復活する日は来るか
今後の邦画はどうなるのか?
ただ、今後の公開ラインアップを見ると、コミック原作以外のヒットが期待される邦画作品が充実している。 8月23日には、TBS系テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の監督・塚原あゆ子さんと脚本家・野木亜紀子さんが再タッグを組み、連続爆破事件の行方を描いた満島ひかり(38)主演のサスペンス映画「ラストマイル」が公開された。また、三谷幸喜氏の5年ぶりの最新作で、長澤まさみ(37)主演の「スオミの話をしよう」が9月13日に、フジの人気シリーズ「踊る大捜査線」のスピンオフ作品でいずれも柳葉敏郎(63)主演の2部作「室井慎次 敗れざる者」が10月11日、「室井慎次 生き続ける者」が11月15日と、立て続けに公開される。 「この三作品は、もともと当たりそうな要素しかないので、コケるとは思えませんが、邦画界の危機的状況を打開するために必要なのは、オリジナル作品を手がけるか、もとになる原作を映画化へブラッシュアップできる新たな脚本家やクリエイターを育成することでしょう。東映は昨年末『芸術職研修契約者』採用を3年ぶりに実施し、脚本家を募集し育成に力を入れることを発表しています。テレビ各局はシナリオコンクールを定期的に行い、新たな脚本家の発掘・育成に力を入れています」(前出・関係者) こうした取り組みも結構だが、根本的な問題として各社が取り組まなければいけない問題があるという。 「そもそも、映画会社に入って脚本を書こうと思っている若い人は皆無と言ってもいいでしょうし、プロデューサーとしては優れていても、『俺がオリジナル作品を作る』という高い志を持った社員は少ないのが現状です。仮にそういう人材がいても、うまく育成する環境も整えられていません。ある程度の経験を積んだら転職という流れを止めるためにはどうするのか。そこが一番、大事だと思います」(前出・担当記者)
デイリー新潮編集部
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