【有馬記念】すべてはオグリキャップの劇的Vから始まった… スタニングローズで初参戦!高野友和調教師の熱い思い
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 過去68回の歴史で数々の名場面が刻まれてきたGⅠ有馬記念。全国民を巻き込んでの一大イベントとして、それぞれが個人的なドラマとともに昔の有馬記念を回顧し、思いを込めて今年も馬券を買う。もちろんグランプリへの特別な感情はファンだけではなく送り込む陣営も同じだ。スタニングローズ(牝5・高野)で有馬初参戦の高野友和調教師(48)。ホースマンへの道を決定づけた思い出のレースに並々ならぬ意欲で臨む。牝馬が強い有馬記念…といったデータはさておき、AI予想ではたどり着くことのできない“熱き思い”に懸けるのもグランプリの醍醐味だろう。
1990年12月23日が原点に…
「楽しみです。あの有馬記念に私の管理馬が出るのかと」 意外にも暮れのグランプリへの参戦は今回が初となる高野調教師。この“国民的レース”はスタニングローズの指揮官にとっても特別な思い出があるようで…。「有馬の思い出といえば、やっぱりオグリキャップの2回目(の勝利)ですよ。あれが一番ですね。競馬を知り始めて、ちょっと漬かり気味の時にあのレースですから。そこで僕の人生は決まったというくらい感動しましたね」。多くの競馬ファンが心を揺さぶられた1990年12月23日(※別項参照)。あの瞬間から高野師の、そしてスタニングローズの物語も始まったと言えるのかもしれない。 数多くのドラマが生まれてきた有馬記念。その中にはハッピーエンドの物語だけでなく、苦い記憶が胸に刻まれることも。「やっぱりそれはジャパンC勝ち馬で追い切りまでして使わなかったところがあったので。あの時は勝負できる馬を管理していながら使えなかった。馬が違うからその分っていうことはないですけど、使えなかった有馬にようやく有力馬で使える。感情的には燃えるものがありますね」。2015年の有馬記念に向けて最終追いを行った同年のJC覇者ショウナンパンドラは“追い切り後の息遣いがいつもと違う”として同レースを回避。苦渋の決断だった。