自分の価値は周りで決まる...米国起業家教育のプロが教える、事業に人を呼び込む秘訣
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第23回 『「5人の変態を集めよ」…起業家教育のプロが語る、ビジネスにおいて仲間にすべき人の「特徴」』より続く
「あなたの価値は、共に過ごす5人の平均値で決まる」
ファイル共有サービスのDropboxの創業者、ドリュー・ヒューストンの言葉を紹介します。 “あなたの価値は、自分と一緒に過ごす人の5人の平均値で決まる”とよく言われます。少しだけ考えてみて下さい。あなたのサークルにいる5人は誰ですか? 彼は、MIT(マサチューセッツ工科大学)在学中から、起業したいと考えていましたが、なかなか行動に移すことができないでいました。しかし、彼と同じアパートに住む、同じMITの卒業生の二人組が起業するというのです。そして「投資家にヘリコプターに乗せてもらう」と外出したというのです。 「彼らはもうスーパーボウル(アメリカンフットボール・NFLの年間最強決定戦)に出ている。しかし、自分はドラフト(新人選手選抜イベント)にもかかっていない」 そのショックから彼は猛烈に行動を始めます。
まず「狼煙を上げろ」
「自分に刺激を与えてくれる人と一緒に過ごすということは、自分に才能があることや一生懸命に仕事をすることと同じくらいに大切である」 こう、ドリュー・ヒューストンは言います。 ではどうすれば、そういった人が集まるのか。そして、自分が考えるビジネスに賛同し、仲間となってくれるのか。 まず「狼煙を上げる」ことです。 あなた一人の頭の中にあるビジネスには、誰も参加できません。 「私はこういうビジネスを起こしたいんだ」「こういう夢がある」「こんな痛みをなくしたいんだ」と声を上げるのです。それは、投資家へのピッチの席かもしれない、食事の席かもしれない、友人と話しているときかもしれない。あるいは、シェアオフィスの共有スペースで、起業家の卵が集まるイベントで、場所はどこだっていいのです。 まずは、声を上げること。自分はこんなことを考えているんだ、これを実現したいんだと狼煙を上げる。旗を立てるのです。