ブロニーがサマーリーグでの不調に言及「今はちょっとスランプに陥っている」
ロサンゼルス・レイカーズのブロニー・ジェームズは、大きな期待を背負ってサマーリーグを戦っている。しかし、そこに待ち受けていたのは、プロの厳しい洗礼だった。カリフォルニア・クラシックを含め、これまでに3試合を消化したブロニーは、フィールドゴール成功率23.1パーセント、スリーポイントは12本試投で1本も成功なしと、苦戦を強いられている。 選手本人も現在の状況については思うところがあるようだ。 「今はちょっとスランプに陥っている感じです」 しかし、開幕前に課題として挙げていた“積極性”については、前のめりに取り組んでいる。直近のヒューストン・ロケッツ戦は14本中3本のショットを成功させ、苦しみながらも8得点を記録。結果こそともなわないが、入団会見で口にしていた「自分のショットを作る」という目標について答えを模索している様子がうかがえる。 また、ブロニーは自身が成長過程の選手であることを認識しており、地に足をつけて真摯にバスケットボールと向き合おうとしている。プロキャリアが1年先輩である対戦相手のキャム・ウィットモアは、この日の試合では20得点、10リバウンド、4アシスト、4スティールのスタッツをマーク。記者は昨年Gリーグで経験を積んだ同選手を引き合いに出して、ブロニーにも感想を求めると、以下のように返答している。 「どのレベルでプレーしていても、バスケットボールをプレーするのが楽しみなんです」 レイカーズ陣営もブロニーの調子に一喜一憂することはない。サマーリーグで指揮を取るデイン・ジョンソンもキャリア初期段階におけるオフェンスの不調を気に留めることはなく、同時にブロニーのGリーグ行きの可能性についても言及している。 「彼はこれから長いキャリアを送ることになります。これは始まりに過ぎません。我々はただ自信を与え、それを彼らの心に留めておくだけです。我々にはまだまだ長い道のりが待っています。(Gリーグでのプレーについては)まだ分からないので、コメントはできません。しかし、ドラフトされた選手たち全員がいずれはGリーグでプレーすることになると思います」 しかし、ブロニーについてはポジティブな一面もある。この試合、キングの息子はドラフトで全体3位指名を受けたケンタッキー大学出身のリード・シェパードのマークを任せるなか、持ち前のアグレッシブなディフェンスで2つのスティールを記録した。 「リードとは5年生からの知り合いです。彼が優れたシューターであることは知っているので、身体を寄せて3ポイントを防ごうとしました。彼をフルコートでマークし、GMやコーチに対して自分の努力をアピールしたかったです」 この試合を見守っていたJJ・レディック新ヘッドコーチいわく、ブロニーには抜かれてもファールしてもボールにプレッシャーをかけるよう指示していたようで、そのディフェンスを評価した。 “レブロン・ジェームズの息子のNBA入り”という重圧は到底計り知れるものではなく、ブロニーがちょっとしたスランプで済んでいるのは彼の優れた人格があってこそのことだろう。 未だにドラフト指名されたことについて世間からは懐疑的な声が挙がっているが、リーグ関係者はコンバインでのパフォーマンスを含め、指名は至極妥当だと感じているようだ。また、とある幹部は2巡目指名の選手の成功は確約されていないことを強調しており、ブロニーについては「成長が楽しみなタイプの選手。ゲーム理解度は多くの若手選手より優れていることがわかっている」としている。 勤勉かつ謙虚で、自身のキャリアに集中しているブロニーであれば、堅実な成長曲線を描く未来が想像できる。スランプを抜けたとき、ブロニーはどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。 文=Meiji
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