2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産 42件 4カ月連続で40件台に、小康状態が続く
2024年2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は42件、3カ月連続で前年同月を下回る
2024年2月の「ゼロゼロ融資」を利用後の倒産は42件(前年同月比16.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。また、2023年11月から4カ月連続で40件台にとどまり、小康状態が続く。 負債総額は83億5,200万円(同55.7%減)で、2カ月ぶりに100億円を下回った。負債10億円以上の大型倒産(前年同月5件)がなく、負債総額を押し下げた。
【産業別】サービス業他が最多で約3割
産業別では、サービス業他が12件(前年同月比20.0%減)で最多、全体の約3割(構成比28.5%)を占めた。 次いで、建設業(前年同月同数)と製造業(前年同月比12.5%増)が各9件、小売業が5件(同66.6%増)、卸売業(同62.5%減)と運輸業(同40.0%減)が各3件、情報通信業が1件(同50.0%減)の順。 農・林・漁・鉱業と金融・保険業、不動産業は、前年同月と同様に発生がなかった。
【業種別】飲食店が6件で最多
業種別(中分類)では、「飲食店」6件が最多。コロナ禍で集客が落ち込み、業績不振が続くなか、原材料高が経営を直撃、返済の目途が立たず、事業継続を断念した。 次いで、「総合工事業」5件が続く。資材価格の高騰や人手不足に伴う労務費の上昇などで資金繰りが悪化、業績回復が進まず行き詰まった。 このほか、「食料品製造業」と「織物・衣服・身の回り品小売業」が各3件で並び、飲食関連やアパレル関連の苦境を反映した。
【形態別】消滅型倒産が9割超
形態別は、破産が38件(前年同月比7.3%減)で最多。特別清算2件(前年同月ゼロ)と合わせた『消滅型』倒産は40件(前年同月比2.4%減)で9割超(構成比95.2%)を占めた。 『再建型』は民事再生法が1件(前年同月4件)で、2カ月連続で発生した。 このほか、私的倒産の取引停止処分が1件(同4件)。
【従業員数別】10人未満が約7割
従業員数別の最多は、5人未満の22件(前年同月比8.3%減)だった。次いで、10人以上20人未満が8件(同27.2%減)、5人以上10人未満が6件(同14.2%減)で続く。10人未満の小規模企業は28件で、約7割(構成比66.6%)を占めた。 50人以上300人未満は2件、300人以上はゼロ件で、それぞれ前年同月と同数だった。中堅規模以上は前年同月と変わらなかった。
【地区別】北陸以外の8地区で発生
地区別の最多は、関東の17件(前年同月21件)で、4割(構成比40.4%)を占めた。次いで、九州8件(前年同月5件)、中国6件(同ゼロ)、東北5件(同9件)、北海道と中部が各2件(同3件)、近畿(同8件)と四国(同ゼロ)が各1件の順。北陸(同1件)を除く8地区で発生した。 都道府県別では、東京都が9件(前年同月11件)で最多。このほか、広島県が4件(同ゼロ)、宮城県が3件(前年同月同数)で続く。2023年11月以来、4カ月連続で10件以上発生した都道府県はない。