<高校サッカー速報>古豪・東福岡が5-0圧勝で17年ぶり頂点!
全国高校サッカー選手権大会の決勝が11日、埼玉スタジアムで東福岡対国学院久我山のカードで行われ、5-0の圧勝で東福岡が17年ぶり3度目の優勝を果たした。東福岡は、サイド攻撃を軸にした高い攻撃力でゲームを支配、国学院久我山のパスサッカーを封じ込めた。東福岡は夏のインターハイに続いての2冠。2冠は2003年の国見以来、13年ぶり6校目。国学院久我山は、惜しくも初優勝を逃した。観衆は54090人。
東福岡の赤いユニホームがピッチを席巻した。 高いボールポゼッションから、三宅、中村が絶妙のコンビネーションで揺さぶり、右サイドからどんどんボールを入れていく。23分、ゴール正面から藤川が強烈なシュート、キーパーの正面となりパンチングで弾かれると、そのこぼれ球を今度は中村がシュート。怒涛のシュートラッシュ。いずれも1年生GKの平田に防がれたが、「4-5-1」のフォーメーションから人数をかけた攻撃で主導権を握り、国学院久我山が得意とするパスサッカーを封じ込めていく。 36分、速く正確なパスワークで、左サイドから国学院久我山のディフェンスを崩すと、右サイドから空いたスペースに斬り込んできた三宅が、左足を合わせた。丁寧にボールをコントロールした先制のゴール。三宅は、今大会2ゴール目だ。 ディフェンスに終始させられ、国学院久我山は、なかなかペースをつかめない。前半終了間際には、清水監督が動く。準決勝の青森山田戦でロスタイムに決勝ゴールを決めている2年生の戸田を投入した。 17年前には、連覇を果たした古豪の東福岡も、県予選も突破できぬ冬の時代もあった。昨季もインターハイを制し、中島、増山ら、Jリーグに進むようなタレントを揃えたが、選手権では勝てなかった。今大会のチームも当初は「最弱のチーム」と呼ばれていたという。14年前に志波総監督からバトンを受けついだ森重監督は、試行錯誤を繰り返しながら280人もの部員を束ね、フィジカル強化に取り組み、サイド攻撃を軸にした総合力の高いチームを築きあげてきた。 決勝戦直前には、ロッカーのホワイトボードに「戦う」の2文字を書いた。 闘争心こそが、17年頂点から見離されてきたチームに必要なものだった。 「一人ひとりが責任を持ち、感謝の気持ちを忘れずプレーしろ」 森重監督は、そう言ってピッチにメンバーを送り出した。