九州でも「Juju人気」は絶大 18歳女子大生ドライバーの表情が安堵から悔しさに変わった理由
【予選アタックは確実に速くなっている】 レース後、Jujuは静かに振り返る。 「けっこう厳しかったです。土曜日のフリー走行でしっかり走ることができなかったことが、一番大きかった。チームのみんなもがんばってくれましたけど、初めてのオートポリスで十分なデータが取れなかったので......。トラブルもなく走れていたら、もっと(タイムを)詰めることができていたかもしれません」 デビューを飾った開幕戦では、レース後に安堵した表情を浮かべていた。しかし第2戦では、表情から悔しそうな雰囲気がにじみ出ていた。その違いが印象的だった。 モータースポーツにおいて車両トラブルは、どうしても避けられない要素である。Jujuの53号車を担当する平野亮エンジニアは、悔しそうに第2戦を振り返る。 「予選のセッティングを確認できないまま、セッションが終了してしまった。どこがよくてどこが悪いかを確認できずに、本番のタイムアタックにいかなければいけない状況でした。あのトラブルの影響で、週末で組み立てていく工程がひとつずつズレてしまっていたんです」 それでも、この状況のなかでJujuが魅せた予選アタックに関しては評価していた。 「スーパーフォーミュラやオートポリスの経験が豊富なドライバーなら、想像の範囲でうまく対応できます。彼女にはその経験がないので、ひとつずつやっていくしかない。そのなかであの予選アタックは、最終コーナーのミスはありましたけど、確実に速くなっているなと思います」 オートポリスは苦しいレースとなったJujuだが、「今は経験を積む時期」という点を重視するのであれば、これも成長に向けての貴重な週末だったと言えるだろう。次戦の第3戦・SUGO(6月22日・23日/宮城)も、Jujuにとっては難易度の高いサーキットである。限られた時間でどのようにレースを組み立てていくのか、Jujuの適応力がポイントとなりそうだ。
吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro