熊本・岱志高の名門ラグビー部復活を 流選手らOB、進学増へ中学生指導
部員不在で休止している岱志高(熊本県荒尾市)のラグビー部の復活を目指し、卒業生が積極的に動いている。前身の荒尾高時代から全国大会出場8回を誇る名門。OBで元日本代表の流大[ながれゆたか]選手=東京SG=ら現役プロが中学生向け講習で指導し、同高進学を呼びかける。将来を見越した中学生クラブチーム結成計画もある。 9月14日、同校であった講習会には、流選手とチームメートの垣永真之介選手が訪れ、中学生80人にパスワークやボールを奪われないための動きなど基礎技術を教えた。流選手は「基礎練習の時は、どうすればうまくなるかを常に意識して」と熱く語った。 練習後の交流会で、流選手は「このグラウンドで過ごした3年間が自分をつくっている。母校に部員がいないのは寂しい。ぜひ入学してほしい」と訴え、東福岡高出身の垣永選手も「高校時代に戦った学校が活動していないのは残念。ラグビーを盛り上げるために協力したい」と話した。
講習会は6月に続き2回目で、OB約100人による後援会が企画した。さらに、地元に残る会員約20人が中心となり、市内で小学生向けのタグラグビー体験会を定期的に開いている。 部の復活にはラグビー経験のある中学生の取り込みが鍵を握る。休日の中学部活動の地域移行に合わせ、来年中を目標にクラブチームの設立も計画中だ。 後援会の田上龍也会長(40)=荒尾市=は、「クラブには大牟田市などからも受け入れ、卒業後は岱志に進んでもらいたい。まずは公式戦に単独出場できるように15人以上入ってほしい」と意気込む。 岱志高では昨年、野球部OBの働きかけで外部から監督を招き野球部が復活。今秋の九州地区高校野球熊本大会で8強入りした。寺田憲司校長は「野球部の復活で校内がにぎやかになり、地域からの関心も高まった。ラグビーでもさらに活気づくことを期待している」と話す。(大倉尚隆)