舘ひろし・柴田恭兵「4人がそろえばそれだけで『あぶ刑事』になる」浅野温子、仲村トオルとの絆
タカとユージが揃えば新しいスタッフも一気に『あぶ刑事』の世界に!
――本作も横浜のシーンでスタートしましたが、今回、スタッフは原監督を筆頭に、新メンバーです。初日はどんな感じだったのでしょうか。 柴田「スタッフの人たちは、小学生とか中学生のときに見ていたんだと思います。初日、まず舘さんが現場に来て衣装をつけますよね。その日はバイクに乗るシーンではなかったんですけど、たまたまハーレーも置いてあったんです。それで舘さんが埠頭を軽くブーンと飛ばしたら、スタッフが色めきだって」 ――それはそうでしょうね。 柴田「“タカとユージだ!”となって。そうだよ、僕たちはタカ&ユージだよと。今から『あぶない刑事』の世界が始まるよと。本当にみんな若いスタッフたちが頑張ってくれました。僕たちはもう70歳過ぎてますから、優しいんです」 舘「ふふ」 柴田「だから非常にやりやすかったです。タカとユージ、トオルくん(仲村トオル=町田透)、あっちゃん(浅野温子=真山薫)はこんな感じだよというのを見せると、“あ、この色なんだ”“こういうことなんだ”と、みんなパッとすぐにつかんでくれました」 舘「ただ温子だけは破壊力が増してるからね。どんどん増してるから。たまに付いていけないときがあるからさ。台本と全く違うことするし」 柴田「とりえず赤いパンツを見せるんだって言って出てきたね」 ――確かに本編での薫さんの破壊力はすさまじいものがありました。 柴田「見えてるから大丈夫だって言ったんだけど、“いや、もっとやりたい!”って言ってました(笑)」
脚本は作家が書くけど、ほとんどアドリブ
――『あぶない刑事』はアドリブが多いそうですが、一番アドリブが多かったのはどこの場面でしょうか。 舘「アドリブが多かった場面って、全部だよね。ほとんどアドリブ(笑)。もちろん脚本は作家が書くんだけど、現場で恭サマがピョコっと言ったことが面白いんだよね」 ――その場で思いつくのですか? 柴田「台本を読んでいて、こんな感じにしようかなとかなんとなく考えていきますね。舘さんはどうしてもトオルのところに“トロイ動物”を入れたいって言ってましたね」 ――ところでタカ&ユージが港署に現れるシーンが、異常なほどかっこよかったです。 舘「そうでした? 全く忘れてる」 ――エレベーターで。 舘「ああ、エレベーターで。エレベーターで出てくるあれだけで、1時間半かかったんですよ」 ――監督のこだわりでですか? 舘「こだわったんだと思うんだけど、どこにこだわったんだろう」 ――いや、たしかに「かっこいい」と声が出そうになりました。 舘「そうなの?」 柴田「本当はアドリブで鷹山が入ってきたら“ダンディ鷹山だ、ダンディ鷹山だ”“誰?”“ダンディ高野?”“ゲッツ!”って入れてって提案したんだけど、却下されました(笑)」 タカ&ユージがエレベーターから降りて透のいる港署の刑事課に入っていく。短いシーンだが、原監督が1時間半かけたというのも、観れば納得の場面である。 舘ひろし(たち・ひろし) 1950年3月31日生まれ、愛知県出身。76年に映画『暴力教室』で俳優デビューを飾る。ドラマ『西部警察』をきっかけに石原プロに入社する。36歳の時に『あぶない刑事』のタカ役でブレイク。18年には『終わった人』で第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞した。近年の主な映画出演作に『アルキメデスの大戦』『ヤクザと家族 The Family』、土方歳三を演じて話題を呼んだ『ゴールデンカムイ』など。現在、ドラマ『ブルーモーメント』に出演中。 柴田恭兵(しばた・きょうへい) 1951年8月18日生まれ、静岡県出身。1975年に劇団「東京キッドブラザーズ」に入団。1986年、ユージを演じたドラマ『あぶない刑事』でブレイク。ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハゲタカ』など、さまざまな作品で演技派として認められている。主な出演映画に『野蛮人のように』『福沢諭吉』『集団左遷』『半落ち』『北のカナリアたち』など。今年2月から放送されたドラマ『舟を編む ~私、辞書つくります~』での演技も支持を集めた。 望月ふみ
望月ふみ
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