『CoD:BO6』発売直前インタビュー!開発者に「オムニムーブメント」導入理由やベータ版からの変更点を直撃
Activision Publishingが、2024年10月25日に発売する『Call of Duty: Black Ops 6(CoD:BO6)』。日本で人気の高い『CoD:BO』シリーズだけに、多くのFPSファンからも注目を集めています。 【画像】発売を目前に控えた本作について、気になる部分を深掘り! この発売に合わせて、アクティビジョン・ブリザードは日本国内のメディアに向けた合同インタビューを実施。本作のマルチプレイヤーとグローバルのゲームデザインを担当するAssociate Design DesignerのMatt Scronce(マット)氏に質問を投げかける機会を得ました。発売を目前に控えた本作について、気になる部分を深掘りしていきます! ◆新システム「オムニムーブメント」の導入理由とは? ――よろしくお願いします。発売が間近に迫っていますが、開発メンバーの皆さんは、今どんな気持ちでいるのでしょうか?緊張されていますか?それとも期待感を抱いていますか? Matt Scronce(以下、マット):どちらの感情もありますね。私はこれまでの『CoD:BO』シリーズ全てのローンチに携わってきました。振り返ってみても、1つ1つの『CoD:BO』シリーズが異なった体験と挑戦を提供してきたと思います。 さらに、入社前は『CoD』シリーズのコミュニティーに所属していました。それだけにファンからの意見や感想は、とてもありがたく思っています。もちろん緊張感もありますが、一方で『CoD:BO6』には「ブラックオプスで最高の物だ!」という自信もあり、プレイヤーが遊んでくれるのを楽しみにしています。 また、スタジオの中には「本作が初めて携わった『CoD』シリーズ」という後輩もかなりいます。彼らも発売に向けてワクワクしており、皆さんと一緒に遊べるよう、今週末に向けて準備していますよ。 ――『Call of Duty: Black Ops 6(CoD:BO6)』は、約4年ぶりの『CoD:BO』シリーズとなります。お話いただける範囲で、この4年間に感じたことや考えたことをお聞かせいただけますか? マット: 本作では、各『CoD』シリーズが使用する統一エンジンを採用しました。それもあって開発に時間がかかったのですが、その分「ブラックオプスとは何か?」を問い直せました。 そのおかげで、動きの滑らかさやリアリティの追求、また、オムニムーブメントに繋がっています。武器においても、ファンお気に入りの物から『CoD:BO』シリーズらしい秘密兵器にまで展開しています。 歴代の『CoD:BO』シリーズユーザーからベータ版興味を持ってくれた人まで、全員が楽しめる作品になったと思います。 ――マルチプレイヤーの開発コンセプトについて、お伺いしたいと思います。どういった要素に「ブラックオプスらしさ」を見出しておられますか? また『MW2』や『MW3』でシリーズを遊び始めたプレイヤーに、どういった変化を感じてほしいと思いますか? マット:一番に思いつくのは今回のオムニムーブメントです。このシステムは『CoD:BO6』の根本に位置しています。一方で、できなければいけないアクションという物でもないので、新規プレイヤーであっても少しずつ自分のリズムで習得できます。 後は、戦闘における細かいニュアンスの違いを感じ取ってくれると嬉しいです。全体的には、プレーヤーの体験をよりリアリティーのある、臨場感あふれる物にするのを目指しました。 ◆湾岸戦争という時代に合わせて武器デザインにも注力 ――オムニムーブメントの導入により、プレイ体験や戦術などはどのように変わると思いますか? マット: オムニムーブメントのアイディアは「現実ではどの方向にもダッシュできるのに、ブラックオプスの特殊部隊員が前しか走れない、というのはおかしいよね」という点から始まっています。これにより、戦闘の流動性が高まったと思います。 例えば、正面から手榴弾が転がってきた場合、本作では後ろにダッシュして距離を取ったり、アクションヒーローよろしく後方にスライドしながら回避したりできます。もちろんどういう行動を取るかはプレイヤー次第ですが、その選択肢を増やせたと思います。 ただ、戦術の変化などはプレイヤーに委ねられると思います。ぜひ、それぞれのプレイヤーが発見していってほしいですね。 ――ベータテストの反応を受けて、何か変更した点はありますか? マット: いただいた意見は開発陣でしっかりチェックしています。実際、マップや武器に関しては、そういった意見もフィードバックした上で変更を入れています。 とはいえ、開発チームで積極的にテストプレイと意見交換を行っていたので、全体的に驚くような意見はありませんでした。しかし、プレイヤーの皆さんによって想定しきれなかった部分を発見できたのは大きいです。 ――ベータ版の際、武器レベルを上げるのが多少ハードに感じました。この辺りは製品版で調整されるのでしょうか?それとも経験値キャンペーンを頻繁に行うつもりなのでしょうか? マット: ベータ1週目はちょっと遅く感じたので、2週目にはテコ入れを行いました。また、各プレイヤーのレベルアップに必要とした時間はチェックしており、製品版ではベータ版よりもレベルを上げやすくしています。今後も必要に応じて、調整していきます。 しかし、プレイヤーは適切なペースで武器をカスタムして欲しいと思っています。いきなり複数のアタッチメントを渡すのでなく、ワンマッチごとにアタッチメントを増やしていき、1つ1つ試していってもらいたいですね。 ――本作は「湾岸戦争」をテーマにしていますが、本作に登場する武器はどのように考え採用していったのでしょうか?時代背景にあった物をメインにしていますか? マット:良い質問ですね!これに関しては、武器チームが素晴らしい仕事をしてくれました! 歴史的に正しい武器を出すのは大事なので、彼らは多くの資料に目を通しています。しかし『CoD:BO』シリーズでは、見たことのない武器も提供したいとも思いました。この辺りのバランスは苦労しました。 結果的に、本作では今まで『CoD』シリーズに出ていない武器を12個実装しています。リアルで見覚えのある物もあれば、そうでない武器もあり、ブラックオプスらしさを味わえると思います。 ◆各Perkは偏らないよう「開発陣で詳しく議論」 ――リリース前で恐縮ですが、発売後のスケジュールやアップデートがどのようなものになるのか、お聞かせください。 マット: 今週はローンチに集中していますが、新しいコンテンツやマップ、武器やゲームモードなどもいろいろと考えています。例えば、10月29日にはゾンビチームと共同で作り上げた新モードが登場します。 発売後もどんどん新しいコンテンツを追加し、新鮮なゲームであり続けられるようにしています。 ――ベータテストでは、中規模か小規模なマップが多かったと感じます。『MW3』のリリース時は広めのマップが多かった気がしますが、この変化の意図について教えていただけますか? マット: ベータテストではあくまで一部しか見せられないので、凝縮した体験ができる小さめのマップが多くなりました。しかし、全体的なプールで見ると中規模マップが多くを占めています。 また、『CoD:BO』シリーズで人気なマップを振り返ると、サイズの大きくないマップが受け入れられています。そのような点も踏まえて、サイズは調整しています。 ――本作のコンバット・スペシャリティは、Perk構築の幅を持たせる良いシステムだと思いました。一方で、特定のコンバット・スペシャリティやPerkが強すぎると、編成の幅が偏ってしまう恐れがあると思います。Perk関連におけるバランスについて、どのように考えていますか? マット: 私の好きな『ディアボロ』というゲームに、特定の防具を装着するとセットボーナスが得られるシステムがあります。今回のPerkシステムではそういったセットボーナスを組み込めないかと考え、コンバット・スペシャリティを導入しました。 ただ、特定のコンバット・スペシャリティやPerkに対して“使わなければいけない”という空気感を作るのは絶対に避けたいと思いました。自分に合ったPerkを選び、プレイスタイルを確立してほしいと思っています。 ですから、各Perkも一定の範囲の強さに収まるよう、開発陣で詳しく議論しました。その分どのPerkを選択するか、プレイヤーを悩ませてくれると思います。 ◆オムニムーブメントなど新要素を導入した『CoD:BO6』を見逃すな! 最後にマット氏は「スタジオを代表して、ブラックオプスシックスのマルチプレイヤーがみんなが遊んでくれるということに、本当にワクワクしています」と語ってくれました。 製品版へのドキドキが収まらない『CoD:BO6』。オムニムーブメントなどの新システムをしっかり遊べるようになるのはすぐそこです!
Game*Spark 鈴木 伊玖馬
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