【専門家解説】“紀州のドン・ファン”不審死 13億円超える遺産の行方 元妻の“夫殺害の罪”有罪なら全額田辺市に入ることに
■須藤被告の“殺人”の裁判結果次第で遺産は全て田辺市が相続することに
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さんの巨額な遺産はこれからどうなっていくのか整理する。 遺言書が有効だということで判決が確定すれば、13億円以上とされる遺産は田辺市が相続することになる。ただ元妻の須藤被告には最低限保証される『遺留分』がある。 今回のケースだと、元妻の須藤被告は遺産の半分を受け取る権利があることになる。そうすると田辺市が半分の6億5000万円以上、須藤被告も同じく6億5000万円以上を相続することになる。 ただし伊藤弁護士によると、須藤被告の裁判の結果次第で、野崎さん殺害の罪が有罪確定すれば全額田辺市が相続することになるという。 伊藤勝彦弁護士:民法には『相続欠格』という規定があります。相続欠格というのは故意に被相続人を死亡させて刑に処せられた時は、相続人としての資格を失うとことになるんです。この場合は相続人ではなくなり、遺産を取得できない。その結果、全て田辺市に引き継がれるとことになります。 遺言書が有効だとする判決が確定すると、すぐに田辺市に遺産が入るのだろうか? 伊藤勝彦弁護士:確定までにまだ時間がかかるだろうと思います。須藤被告の有罪判決の確定が必要ですので、まだ殺人事件の公判期日が決まっておらず、実際の裁判が始まっていない。また高裁、最高裁と裁判が続くのであれば、だいぶ先ということになると思います。全てが確定しないと、遺産を管理している遺言執行者は、誰にいくら渡すか決まりませんので、遺言執行者の管理が続くことになると思います。 関西テレビ 神崎報道デスク:実は裁判の手続き含めてなんですけれども、田辺市は野崎さんの遺産に関してすでに税金で6000万円ぐらいの経費を使っています。今回は田辺市側の主張が認められたということで、6億5000万円でも入れば、経費の6000万円を十分回収できることになりますが、もし控訴されて次に負けてしまうと、税金を使ってどうなるんだという問題になる恐れもあります。 親族側が控訴することも当然考えられ、遺産を巡る裁判の行方は気になるところだ。 そして野崎さん殺害の真相についても一刻も早く解明されることが期待される。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月21日)
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