J1札幌 今季限り退任のペトロヴィッチ監督「目の前の試合を全力で戦う。それだけだ」…2日・アウェー東京V戦
J1北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)が、1戦1戦に集中し、有終の美を飾りにいく。 5月29日、三上大勝代表取締役GM(52)が、ペトロヴィッチ監督の続投と今季限りでの退任方針を示した。アウェー・東京V戦を翌日に控えた1日の練習後、その表明後初めて、ペトロヴィッチ監督が公の場で口を開いた。「監督も社長も選手たちもみんないつかはいなくなる。その中で大事なのは我々現場で働いている人間は、クラブのために全力を出し尽くして戦うということ。ああいった発表はあったが、私自身、常に思うことは目の前の試合を全力で戦う。それだけだ」。私情は捨て、指揮を執る。 表明では「J1残留」の目標が改めて示された。例年、主力選手が抜ける中でもペトロヴィッチ監督は手腕を振るい、J1に定着させてきた。それだけに「私自身はこのクラブは、J1に居続けることが一つの大きな大きな目標ではないかと思っていた。主力が今も残ってプレーしていれば高い目標を掲げても良いが、今の状況ではあまりにも現実からかけ離れている」と本音も漏れた。加えてけが人も多く、降格圏を抜けられない苦しい状況ではあるが、前を向く理由がある。 続投を希望する選手の声が、シーズンを全うする後押しとなった。「私は選手たちを自分の子供のように思い、いいキャリアを積んでいけるように常に考えている。その選手たちにそう思っていただけるのは監督冥利(みょうり)に尽きる。選手たちのためにも、残留を成し遂げて今シーズンを終えたい」。愛する教え子たちのため、まずは6月初戦を3戦ぶり勝利で飾る。 (砂田 秀人) 〇…家泉は1日の宮の沢での紅白戦では、前節・鹿島戦に続き4バックのシステムが試された。中央に入ったDF家泉怜依(24)は、昨季まで所属したJ2いわきでは主に4バックでプレーしていた。それだけに「自分としてはやりやすい」と対応への自信を見せた上で「マンツーマンの意識が強くなってるので(相手に)食いついてしまう場面もあるとは思うが、そこは声をかけながら修正していければ」と本番のイメージは描かれている。
報知新聞社