上腕51cm のバルクモンスター・扇谷開登がボディビル界を席巻【プレイバック2024】
2024年、ボディビル界のトップ戦線に殴り込みをかけた男がいる。神奈川発のマッスル消防士・扇谷開登(27)だ。太さ51cmを誇る上腕など、異次元の筋量で注目を集めると、一気に頂上への階段を登った。 【フォト&ムービー】筋量で圧倒する怪物・扇谷のステージ
メンズフィジークから競技をスタートし、2022年には通常のフィジークより筋量が要求されるマスキュラーフィジークで日本2位の称号を奪取。その頃から上半身の筋量は桁外れであり、その存在感は将来への期待を膨らませた。2023年はクラシックフィジーク(よりボディビルに近いカテゴリー)に参戦し、日本クラシックフィジーク選手権で見事優勝。実績を積み上げるバルクモンスターの歩む先に注目が集まっていた。 そんな男が2024年、ついに覚醒する。ボディビルへ転向すると国内最高峰・日本ボディビル選手権(10月6日)に初出場し、一気に日本4位にまで昇りつめた。今年の日本選手権は、3位に駆け上がった学生王者・刈川啓志郎(23)、5位の寺山諒(29)とともに若き初出場組がトップランナーたちを食って上位入賞をはたす結果に。 かねてから上位に名を連ねていた喜納穂高(29)、杉中一輝(25)、吉岡賢輝(29)と合わせて20代がファイナリスト(トップ12)に6人に食い込み、ボディビル新時代の到来を印象付けた。 その後に開催された第2回ジュラシックカップ(10月19日)では、“ホモサピエンスの最高傑作”と紹介を受けステージで抜群のバルクを披露。骨格筋評論家のバズーカ岡田が「ただのテストステロン」と評するように、何とも表現できない異次元のボディを見せつけ、日本選手権でも並んだ刈川に敗れるも見事準優勝。新世代の旗手たちがワンツーフィニッシュを決めた。 大会後は喜びをあらわにした半面、足りない部分を客観視する冷静さを見せた扇谷。「もう、来年に向けてはじまってるんでね。みんなもスタートを切ってると思うので、もっと化けてやろうと思います」と言葉を残し、さらなる成長を誓った。 無限の可能性を秘めたモンスターが、次はどのような姿でステージに現われるのか。来シーズンの活躍にも注目したい。
文/森本雄大 写真/木村雄大