【オーストラリア】シドニーCBD、ミニマンハッタン化進む
オーストラリアのシドニーの街並みは、オフィスビル群に代わって高級住宅ビルがそびえ立つ「ミニマンハッタン」へと変貌しつつあるようだ。シドニー・モーニング・ヘラルドが伝えた。 シドニーのマンハッタン化は、不動産開発大手レンドリースとシーバス・プロパティーが先頭に立って進めている。レンドリースは最近では、シドニー中央商業地区(CBD)サーキュラーキーのアルフレッド・ストリートの「ワン・サーキュラー・キー」、CBD西側バランガルーの「ワン・シドニー・ハーバー」などの高層住宅ビルの建設を手がけており、シーバスはCBDのキャッスルリー・ストリートにある高級デパートのデビッド・ジョーンズ(DJs)の元紳士服店の上で「111キャッスルリー・ストリート」の建設を進めている。 レンドリースのロンバード最高経営責任者(CEO)は通期決算発表の際、シドニーとメルボルンの高級住宅ポートフォリオを拡大する考えを表明している。 ■高級住宅の価格は上昇 生活費の高騰は国民の大半にとって打撃となっているが、英系不動産サービス大手ナイトフランクの調査によると、世界的に経済成長が減速する中、シドニーとメルボルン、ブリスベン、パースの4都市では過去1年間で高級住宅の価格が上昇。パースが3.7%、シドニーが3.1%、ブリスベンが2.4%、メルボルンが0.8%の成長を示している。 オーストラリアの不動産販売代理店マグラスのアソシエイトディレクター、アダム・ロス氏は、シドニーの高級不動産市場、特に価格1,000万豪ドル(約9億6,000万円)以上の超高級不動産の市場が好調だと語っている。 地場不動産開発大手マーバックはこのほど、シドニーの観光名所、ダーリングハーバーの再開発地区に高級集合住宅「ハーバーサイド」を建設すると発表。48階建てで、総戸数263戸。マンハッタン化が進むシドニー周辺の超高級物件の価格競争に参戦することになる。