神社・寺院、観光地に多くの人出 正月三が日の安房各地 鴨川ではイセエビ入り雑煮の振る舞いも(千葉県)
2025年が明け、「正月三が日」の1~3日、安房各地の神社や寺院、観光地は多くの人でにぎわった。
磯の風味満点
鴨川市の江見海岸では1日朝、初日の出のご来光を見に訪れた市民や観光客に、地元で取れたイセエビやカニ、ニンジン、ダイコンを入れた豪勢な「海賊雑煮」が振る舞われた。 江見地区の有志でつくる「江見を元気にする会」(田原和彦会長)が、2003年から毎年、元日朝に行っている。 この日は午前5時過ぎに会員が海岸に集合。砂浜の大きなたき火で雑煮の仕込みをしながら日の出を待った。 東の空が白む頃には300人余りの観光客らが集まり、水平線上からご来光が差すと、手を合わせたり、スマホで撮影したりしていた。振る舞われた磯の風味満点の雑煮に、「寒空の下、身も心も温まるもてなしに感激です」と舌鼓を打っていた。
大護摩祈祷
南房総市千倉地区の南千倉海岸では1日朝、地元の高徳院(星孝芳住職)による初日の出「大護摩祈祷(きとう)」が行われた。ご来光に合わせて焚(た)かれた護摩火に、訪れた地域住民や帰省した人が、護摩木を投げ入れて新年の願いをささげた。 同寺による恒例の元日行事。同海岸には日の出前の午前6時ごろから大勢の人が集まった。星住職による護摩祈祷が行われる中、集まった人々は、大きく燃え上がった炎に、新年の願いを込めて、護摩木を投げ入れた。 6時50分ごろ、水平線から太陽の光が差し込むと、訪れた人らはスマホのカメラでその様子を撮影したり、太陽に向かって手を合わせたりしていた。 千葉市から訪れた40代の男性は「新年最初の日の出は、とても神々しく、新鮮な気持ちになった」と話した。 また、寺の秘仏「千倉観音」の「出開扉」もあり、観音像の手から伸びる「お手綱」を握り、そのご利益にあやかる人の姿も見られた。
初詣
鴨川市小湊の誕生寺では2日午後、家族連れや観光客らが祖師堂前に列をつくり、順番にさい銭を投げ入れて手を合わせ、家内安全や無病息災などを願っていた。 同寺は、1276(建治2)年に日蓮聖人の生家跡に建立された日蓮宗の大本山。正月三が日には、毎年大勢の参拝客が集まる。参拝後には、おみくじを引いて今年の運勢を占う人や、お守りや破魔矢などを手に参道を歩く人らが行き来していた。 家族と訪れた木更津市の小学6年生の男の子は「春から中学生なので、友だちがたくさんできるといいな。勉強も運動も頑張りたい」と話していた。