じつは史実どおりだった『Rise of the Ronin』の登場人物設定──コーエーテクモのシナリオチームには歴史の考証、ネタを抽出して選別するノウハウが受け継がれている。「比翼の契り」はルビーパーティースタッフの協力、ノウハウがあったからこそ実現できた
ゲームの評価はとても難しい。 弊誌の読者諸兄には釈迦に説法になるが、ゲームの評価はとてもとても難しいものだ。 『Rise of the Ronin』画像・動画ギャラリー クリアするまでに時間がかかるし、物語を重視する人もいれば、システムに惹かれる人もいるし、手触りを大事にする人もいる。好みによって評価は揺らぐし、プレイ後に残るものがあれば多少の不満なんて吹き飛ぶことがある。 ただ、声を大にして言いたいのは、自分の目でちゃんと評価してほしいということだ。周囲の評価が悪くても刺さるタイトルはあるし、前評判が悪くても自分にとっては最高の1本もある。 と、なぜこんな切り出しにしたかというと、最近こういったことを改めて考える機会があったからだ。前評判はあまりよろしくないものの、遊んでみたら自分にとっては最高のタイトルとなった。それが、3月22日にソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)から発売されたプレイステーション5用ソフト、『Rise of the Ronin』(以下、『Ronin』)だったというわけだ。 『Ronin』で目を見張ったのはアクションの手触りだ。60フレームでぬるぬる動き、アクションにしっかりと重みがある。それでいて戦闘のテンポは非常に早く、刹那的な反応が必要となる。武器、流派のバリエーションの豊かさもすばらしく、敵も同様にさまざまなタイプが立ち塞がるため、戦闘に飽きがこない。 「さすがはTeam NINJA」というべきタイトルなのだが、前述したように発売前の評価はあまりよろしくなかった。だが、発売後はユーザースコアが日を追うごとに上昇し、記事執筆時点(6月5日)では8.8までスコアを伸ばしている。レビュー数も2310となっており、この数値は海外でも評価されていることを示しているといっていいだろう。 いきなりだが『Ronin』をラーメンにたとえると、見た目がごくごくふつうの「醤油ラーメン」なのだと思う。変わり種でもないし、前衛的でもないし、オシャレな見た目というわけでもない。見た目がふつうだから食べていない人の評価は低い。でも、食べてみると麺もスープも具も最高の味わいだとわかる、『Ronin』はそんなゲームなのだ。 話が少し逸れたが、そんな見た目では伝わらない『Ronin』のおもしろさについて、開発を手がけたコーエーテクモゲームスの早矢仕(はやし)洋介氏、安田文彦氏に話をうかがった。 取材・文/豊田恵吾 編集/竹中プレジデント 撮影/佐々木秀二 ■アクションの手触りについてはTeam NINJAに“秘伝のタレ”を守るマスターがいる ──本日はよろしくお願いします。メタスコアのユーザースコアが伸びており、レビュー数と内容を見ると、発売後は海外のユーザーにも受け入れられたという印象があります。海外で何か伸びるきっかけがあったのでしょうか? 安田文彦氏(以下、安田氏): いや、とくにないんですよ(笑)。ただ、おかげさまでプレイした方の評価は高く、ほっとしています。 ──口コミで広まっている印象があります。国内もパッケージ、DL版ともに好調ですよね? 安田氏: そうですね。リピートというか、ロングテールで動いています。着実にこう、「届いているな」という手応えはありますね。 ──決算発表でも『仁王』よりも出だしが好調だというトピックスがありました。 安田氏: 『Ronin』はいまのところコーエーテクモタイトルとしていちばん数字はいいですね。 ──『Ronin』をプレイしたときの楽しさでいちばん印象深かったのは、アクションの手触りでした。『仁王』や『Wo Long: Fallen Dynasty』(以下、『ウォーロン』)など、Team NINJAが手がけるアクションゲームには、手触りのよさ、プレイしたときの気持ちよさがあります。このあたりのノウハウはTeam NINJAチーム内で蓄積されているものなのでしょうか。 早矢仕洋介氏(以下、早矢仕氏): Team NINJAも何世代か移り変わっているんですけど、私が先輩から大事にしている点として教わったのは「プレイヤーがせっかくボタンを入力してくれたのに、それがゲーム内に反映されず飲まれてしまうのはよくない」ということでした。 ──「反映されず飲まれてしまう」とは? 早矢仕氏: たとえば、格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』シリーズでは代々、ボタンを適当に押していてもコンボがつながるようにデザインしています。 1990年代の格闘ゲームは、タイミング通りにボタンを入力しないとコンボがつながらないのが当たり前でした。入力タイミングがシビアだったんです。 そんな中、『DEAD OR ALIVE』は「入力タイミングが早めでも遅めでも、なるべく技が繋がるように」という価値観があります。 ──なるほど。ある程度、幅のある入力受付設計となっているのですね。 早矢仕氏: いまTeam NINJAに所属しているメンバーの中には、格闘ゲームを作った経験がないスタッフもいます。じつは『Ronin』にはTeam NINJA出身ではないプランナーもけっこういるんです。 ただ、チームの中で「アクションの手触り」に対する価値観が口頭で伝えられるなりして、脈々と受け継がれていっているように思いますね。 ──ゲームはリアルとフィクションのバランスが大事だと思うのですが、『Ronin』はそのバランスもすごくいいですよね。たとえば、ダッシュ中に体が斜めになる演出は、現実ではそうならないけどゲームの中では気持ちよさにつながっている。そういった細かな工夫や演出などが、気持ちよさを増幅させているなと感じました。 安田氏: アニメーターとは別に、入力と反応の調整用データを作成するアクション担当の企画メンバーがいるんです。そのメンバーの中になんと言いますか……いわゆる“秘伝のタレ”を守るマスターがいるんですよ。 ──“秘伝のタレ”を守るマスター(笑)。 安田氏: ええ(笑)。『Ronin』開発には、若い世代やほかの部署から合流したメンバーもいましたが、『仁王』や『ウォーロン』など過去のTeam NINJAのタイトルをずっと作ってきたメンバーもいました。 そのあたりのメンバーは調整についてかなり習熟していて、開発中もほかのメンバーにアドバイスしたり、実際に調整(秘伝のタレ)をするというのは、よく見かけました。 ■開発終盤でもよりよいものにするために時間を費やす ──『Ronin』の企画は2010年ころにすでにあったとお聞きしています。本格的にゲーム開発がスタートしたのはいつころからなのでしょうか。 安田氏: 本格的に作り始めたのは2020年3月に『仁王2』が発売された後になります。それ以前から私以外のメインスタッフ数名は関わってはいたのですが、本格的に開発が始まったのはその時期なので、開発にはまる4年かかっていますね。 ──4年でこれほどの密度と規模を有したゲームを作り上げたわけですね。 安田氏: 当時、『ウォーロン』や『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN (ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン)』(以下、『FFオリジン』)といったタイトルの開発も並行していて、ベースになるノウハウがありました。それらを活用して、工夫しながら開発を進めていった形です。 ただ、オープンワールド要素や膨大なキャラクター数については、並行したタイトルになかったこともあり、本当に大変でした。開発チーム全員ががんばってくれたからこそ実現できたものですね。 早矢仕氏: とくに開発終盤では、コアメンバーがブラッシュアップに注力してくれて、チーム全体がモチベーション高く取り組んでいるのが、プロデューサー側からは感じ取れました。 開発状況を見ていて、「まだここに手を入れるんだ!?」と驚くことも少なくありませんでした。開発チームの「もっとよくしたい」という思いが、実際にゲームを遊ばれたお客さまに評価いただいていて、よかったです。 ──開発終盤でもよりよいものにするために時間を費やす、というのはTeam NINJAの「らしさ」だったりするのでしょうか。 早矢仕氏: 「よりよいものを作る」ことに対してプライドの高いメンバーが多かったんだろうな、と思います。 安田氏: 『Ronin』のタイトル画面には、ストーリーの進捗に応じて変化する仕掛けがあるんですが、このクリア後の演出はQA(品質管理)チームからの提案があって、開発終盤に変更した部分なんです。 ──それは意外ですね。通常、QAチームの意見というのは……。 安田氏: そうなんです。QAチームはどちらかというと守りのチームで、開発終盤だと「変えないで」という意見を出すのが普通じゃないですか。 でも、まさかの逆の意見をいただいて。取り入れるべき意見でしたし、開発チームも「それならできるから、やりましょう!」となり、いまの形になったんです。 結果として、その演出をよろこんでくださっているプレイヤーの方々が多くて、QAチームには感謝しかありません。本当に最後の最後のタイミングでの変更だったので、SIEさんにもお伝えせずに超特急で作ってしまったんですが(笑)。 ■コーエーテクモがオープンワールドをやるなら”歴史のなりきり感”のあるものを ──『Ronin』を開発するうえで、まず「何を大事に」設計されたのか、教えていただけないでしょうか。 早矢仕氏: じつは電ファミニコゲーマーさんと本作『Ronin』には、大いなる「因縁」がありまして、安田と「『仁王』のつぎにチャレンジするものと言ったらオープンワールドでは?」と話をしていたとき、ちょうど電ファミニコゲーマーさんで、当社の社長・会長である襟川陽一と襟川恵子に、当時KADOKAWAさんの会長・佐藤辰男さんが話を聞くというインタビュー記事が掲載されたんです。 そこで「コーエーのゲームのおもしろさは、なりきりの部分にあるのではないか」という話題を見て、我々がオープンワールドをやるなら、やはり歴史のさまざまな時代を体験できる”歴史のなりきり感”のあるものだと思うようになったんです。 安田があのインタビュー記事をどう見たのかはわからないですけれど、コーエーテクモ社内においても”歴史のなりきり感”を意識させるものだったと私は思っています。あのインタビュー記事は『Ronin』の方向性を決める際に重要なものになったと認識しているんですけど……どうですか? 安田氏: 確かに早矢仕は「歴史となりきりの楽しさ」が大事だと言っていましたね。 『仁王』でも、侍が主人公で、アクションを通してその時代の人物に“なりきる”体験ができましたが、シームレスでないところもあって没入感がそがれる面がありました。 何より、『仁王』は敵として妖怪が出てくることをはじめ、ファンタジー要素があったので、なかなか“歴史のなりきり”というところは表現しきれていなかったように思っています。そのため、『Ronin』では、そこをしっかり表現できるように意識しました。 ──『Ronin』では描かれる時代を「幕末」とされていますが、どういった決断があったのでしょうか。 安田氏: シンプルに、コーエーテクモ定番の戦国時代から変えたいというのはありました。 加えて、短銃などを使える点でアクションが映えそうでしたし、ステージも含めてビジュアルも変えられる。また、紙幣でおなじみの福沢諭吉や渋沢栄一など、いまの時代につながる馴染み深い人物も登場し、歴史的にも混沌としていた時代ということで「幕末で勝負しよう」という話になりました。 このあたりが決まったのが初代『仁王』が発売される前、2017年ころですね。 ──「コーエーテクモゲームスとして初のオープンワールド」というチャレンジをされたわけですが、何から着手されたのでしょうか? 早矢仕氏: 『Ronin』には横浜、江戸、京都の3つの都市が登場するのですが、オープンワールドの実験、エンジンの設計は横浜からスタートしました。 理由としては、時代的に西洋と東洋が交わる場所だったというのが大きいですね。ただ、最初は製品版の状態とはまったく違う構造だったんです。 安田氏: 最初はオープンワールドではなく、1本道のリニアなフィールドとしていました。これはゲームをプレイされた方じゃないとわからないかもしれませんが、横浜のフィールドに来て間もない最序盤に関所があるのですが、当初は関所の手前からゲームがスタートする、という作りだったんです。 当然ながら「オープンワールドなのに、最初がまったくオープンじゃないよね?」となりまして(笑)。スタート地点をはじめ、いろいろと見直しを行いました。 フィールドの設計についても、我々はリニアな作り方にしか慣れていなかったこともあり、手探りで進めていきました。チーム内外から意見を集め、調整しながら作っていく、という感じでしたね。江戸や京都に比べると横浜は自由度が高めだったので、検証を含めて始まりの場所としたのはよかったように思います。 ──和洋の建物があり、自然物もあり、川もあって海もある。木1本、灯篭ひとつとっても、とても細かなデザインをされていて驚きました。市街地をデザインするにあたって、どのような点を重視されたのでしょうか。 安田氏: ある程度、視線誘導ができる目立つ建物を置くことは意識しました。横浜であれば中華街や貴賓館ですね。都市をしっかり再現することをテーマとして掲げつつ、オープンワールドらしいメリハリを出すように作っていきました。 ただ、最初は平面的な移動しかできないデザインになっていて……そこで「ジャンプしてよじ登る」「鉤縄で登る」といったポイントを入れ込み、立体的に拡張していきました。 作っていく過程で袋小路が増えてしまったり、遠回りを強いられる部分が出てくることもあったので、登れるポイントを追加しつつ、手触りの面で引っかかりが生じないようにしたりと、全体を通して横浜が一番、試行錯誤に時間を費やしましたね。 ──たしかに移動中の気持ちよさがずっと損なわれないプレイ感覚がありました。「手触り」とおっしゃいましたが、実際にフィールドを作りながらどのように「移動の気持ちよさ」を取り入れていったのですか? 安田氏: 「馬に乗る」「鉤縄での移動」といったアクションは早い段階で入れていたのですが、それぞれをスムーズかつシームレスに使いこなせるようにするところは、作りながらの試行錯誤でした。 アクション担当チームはこれまでバトルをメインに手がけていたため、「プレイヤーのアクションが綺麗につながるように」「ストレスを感じないように」といったことをかなり意識して開発に臨んでいました。 実際にはTeam NINJA出身以外のチームメンバーが中心となってがんばったところでもあります。結果として高く評価される部分となりましたので、作り込んでよかったなと思いますね。 早矢仕氏: 開発終盤の残り開発期間約半年でゲーム全体の遊びができあがり、その後はいかにアクションの手触りをよくするかという、「磨く」作業に力を入れてきました。その甲斐があり、プレイしていて気持ちよさを感じられる仕上がりになりました。 安田氏: 見た目も含めて「スムーズさ」についてはギリギリまで調整を行っていました。 開発中、アクション部分をチェックできる専用の部屋を用意し、そこでさまざまな検証を行って……。移動を含めたアクションというのは実際にプレイしてみないとわからないので、そのあたりを最後の最後まで調整し、「手触りのよさ」を作り上げていきました。 ■歴史の「if」を描く難しさ ──『Ronin』には数多くのキャラクターが登場します。しかも、ただ登場するだけではなく、敵としてはもちろん、キャラによっては味方としても操作が可能だったりと、固有のアクションがそれぞれ用意されていました。これだけ多くのキャラを登場させるというのは、かなりの労力が必要となりますよね? 安田氏: じつは……キャラクターの数については初期から3割ほど削っているんです。 当初はもっと多かったんですよ。幕末について調べたところ、日本人はもちろん、諸外国の方々も魅力的な方ばかりで、モチーフにできるような人物がたくさんいたんです。ただ、選定基準を設けて人数を絞っていって、最終的に現在の人数になりました。 ──まさかの回答でした。削ってあの登場人数なのですね(笑)。 安田氏: 登場キャラクターについては「多くし過ぎたかな」とも思っているんです。 我々としては、幕末という歴史を体験してもらううえで、魅力あるキャラクターたちと因縁を結ぶことによって、「世界をより知ることができる」というのが意図としてあったんです。 日本のプレイヤーからすると「ペリーが出てきた」「福沢諭吉が出てきた」と、次から次にキャラクターが出てきても、もともと知っている人物たちじゃないですか。でも、欧米のプレイヤーはそういうわけにはいかない。そこが今作の反省点ですね。 ──「井伊直弼や福沢諭吉が居合の使い手であること」や「徳川将軍(徳川慶喜)が手裏剣術の達人だった」など、ゲームとしてのフィクションかと思って調べてみたら、じつは史実通りで驚きました。幕末の人物たちの史実や人となりなどはどのように調べられたのでしょうか。 安田氏: 歴史的な逸話、モチーフといった部分はチーム内外で複数の視点で調べました。加えて、コーエーテクモのシナリオチームには、そのような歴史の考証、ネタを抽出して選別するノウハウが受け継がれているんですね。 これまでのTeam NINJA作品では、だいたい1~2人がストーリーを担当していたのですが、今作は登場キャラクターが多く、台本の量も膨大になったため、担当メンバーを増員しています。 ストーリー担当のリーダーはアメリカ出身なんです。幅広い視点から見て魅力的な人物を捜し、選定するにあたっては「居合の達人」のようなバトル要素につなげやすい属性を持つ人物も優先していきました。 ──ストーリーも史実がそのまま描かれるのでなく、プレイヤーがそこにどう関わるのかという塩梅が絶妙でした。 安田氏: そこにはやはり“歴史のなりきり”が根底にあります。 我々はこれまで『仁王』や『ウォーロン』といった歴史をモチーフにしたゲームを作ってきましたが、共通するのは「主人公が史実に残っている人物でありながらも謎が多い」ということなんです。 ──その部分をもう少し詳しくお聞かせください。 安田氏: たとえば、今作には坂本龍馬という重要キャラクターが登場しますが、「知名度の高さほど日本の歴史に影響を与えていない説」があるなど、じつは謎が多い人物でロマンがあるんですよね。 『仁王』では、海外から来たウィリアムという人物がなぜ徳川家康に重宝されて侍になったのか。『仁王2』では豊臣秀吉がなぜあんなに出世できたのか。そういった「歴史に紐づいた大きな謎というものを描きたい」というのがありました。 横軸として「歴史」があり、縦軸として主人公たち「隠し刀」の話があります。それぞれのキャラクターたちが、幕末の歴史的に重要な局面にどう関わったのか、という部分を描いたわけですね。 もちろん、史実には残っていない局面もありますので、解釈・定義も含めて演出している部分はあります。ただ……。 ──……ただ? 安田氏: 歴史の「if」を描くのは難しいんですよね……。 本当のことを言えば「全員生存ルート」も検討したんですが、ストーリーの展開を考えると「全部入れればいいわけではない」という判断となり、議論の末に現在の形になったんです。 ──展開されたifは「あり得るかも?」という絶妙なラインでしたよね。桜田門外の変も、水戸藩ではない者に襲撃される、というのはあり得た話ですし。 安田氏: 水戸藩の扱いは難しかったんですよね。本来であれば真面目に描かなくてはいけないんですが、そうすると我々ですらわかりにくい展開になってしまって……。欧米のお客さまのことを考慮するとさすがにきびしいですし、長州藩士、坂本龍馬とともに井伊直弼を襲撃するというものにしています。 ──ちなみに欧米の方は登場キャラクターたちに対してどのような反応をしているのでしょう。 安田氏: 「井伊直弼が強い!」と言われています(笑)。 ──斬撃を飛ばしてきますからね(笑)。 早矢仕氏: 歴史上の人物としてではなく、アクションゲームのキャラクターとして捉えている方が多い印象がありますね。「このベテランサムライが強い⁉︎」といった感じで。 そこは、我々日本人のように井伊直弼をはじめとする、歴史上の人物に対する事前知識がないゆえの反応かもしれません。 ■「ペリーは将軍なんだから戦える」。アメリカ出身のスタッフの熱意でペリーがボスに ──最初のボスがペリーというのも、欧米の方からすると驚きが強かったかもしれませんね。日本人からしても「え? ペリーと戦うの?」と思いましたが(笑)。 安田氏: 最初に制作したボスがペリーだったんですが、彼のイメージといえば肖像画と、昔FLASHで流行った「開国してくださぃよぅ~」と言っている姿【※】くらいしかなくて、戦う姿がイメージできなかったんです。 ですので、もともとの台本ではボスは青鬼だけでした。ですが、アメリカ出身のスタッフが「ペリーは将軍なんだから絶対に戦える!」「戦うべきだ!」とあまりに熱く語ってきたので、戦うシーンを作ることになりました。結果、社内ではめちゃくちゃウケましたね。 しかも最初の調整では、製品版よりも遥かに強くて「ペリーって、こんなに強いの?」と(笑)。 ──(笑)。 安田氏: あと、確実に開発チーム内に新選組ファンがいて、彼らをめちゃくちゃ強くしてくるんです(笑)。 沖田総司もそうですし、近藤勇、土方歳三、永倉新八、斎藤一らはみんな「最強」と呼ばれる人たちなので、どこまで強くするか……となって、結果として全員強くなりました。 ──納得の判断だと思います(笑)。 安田氏: 倒幕派、佐幕派のルートに関しては、「最初はみんな倒幕派でプレイするだろうな」と予想していたので、2章に入ってからは佐幕派も魅力的に描き、プレイヤーのみなさんに悩んでもらえるようにする、ということをすごく意識していました。 ■「比翼の契り」はルビーパーティースタッフの協力、ノウハウがあったからこそ実現できた ──特定のキャラクターと特別な関係となる「比翼の契り」は、最初に見たときに「コーエーテクモ、やりやがったな」となりました(笑)。あのアイデアはどのようなきっかけで生まれたのでしょうか。 安田氏: ロマンス的な要素を入れることは、じつはプロジェクト立ち上げ当初から決意を固めていたんです。今作では「因縁」を大事にするというのがテーマとしてあったので、その延長としてロマンスを描こうと。 ……そう思ってはいたんですが……Team NINJAにはロマンスを描くノウハウがなくて……。いかんせん、それまでは妖怪や武将との戦いを描く、おじさんたちの集まりだったので……。 一同: (爆笑)。 安田氏: 企画としてはあるのに作ることができなくて、「間に合わないかも……」と思い始めたタイミングで、社内で再編があったんです。 「『Ronin』開発チームにルビーパーティー【※】からスタッフを入れてほしい」と希望を出したところ、幸いにも数名の加入が実現しました。ただ、ルビーパーティーのスタッフはアクションゲームの制作が初めてだったため、いろいろ戸惑ったと思います(笑)。 「比翼の契り」はルビーパーティースタッフの協力、ノウハウがあったからこそ実現できたシステムですね。これまでのTeam NINJAタイトルとは異なるファン層が獲得できましたし、その反応も新しいものになったと思っています。 ──社内再編が助け舟となったわけですね。 安田氏: 実際にロマンスシーンをチェックするときのチーム内の空気がぜんぜん違うんです。これまではだいたい、ボス戦とかが映った画面をみんなで見ていたんですけど、それがロマンスシーンになると……。 ──いままで「殺るか、殺られるか」だったのが……。 安田氏: 違う意味で「やるか、やられるか」になりました(笑)。 その空気が違い過ぎて、最初は戸惑いましたね。いきなりロマンスシーンのチェックをするのは心がもたないので、ほかのシーンをチェックしつつ心の準備を行ってから臨むようにしていました。 ただ、戸惑いはありましたが、チェックしていて楽しかったですし、新鮮な体験でした。 ──ロマンス描写に関して、ルビーパーティースタッフからはどのようなアドバイスがあったのですか? 安田氏: けっこう恥ずかしくて「こ、これは……」となってしまうことがあったんですけど、それに対して「いや、こんなのぜんぜんふつうですよ?」と返されてしまい(笑)。「我々はまだ、本気を出していない」みたいな感じで言われて「マジか……」となりました(笑)。 一同: (笑)。 安田氏: ロマンス要素については、発売するまで明かさないように心がけていました。予想外の展開を楽しんでいただきたかったのと、そこを期待してもらうのもちょっと違うかなと思っていましたので。 正直、「ちょっとやり過ぎたかも?」と思ったこともあったのですが、音声収録の際、声優さんたちがああいったシチュエーションにも慣れていらっしゃって、うまく演じてくださったのでありがたかったですね。 いまだから言えることではあるのですが、ゲーム全体をどう完成させるか悩んだときに、シーンの総数も多くなってしまうという理由で「ロマンス要素や修羅場シーンを入れるのをやめよう」と諦めかけたこともあるんです。 でも、Team NINJAロマンス勢が「やる!」と強い意志を見せてくれたことで、実装に辿り着きました。アクションゲームに必要な要素かと言われれば、必ずしもそうではないと思うんですが、キャラクターの魅力として伝わったと言いますか、深みになったのかなと。 ──幕末の著名人からやきもちを妬かれる体験がアクションゲームで味わえるというのは唯一無二ですよ(笑)。 安田氏: 因縁の延長として「いちばん深いところで契りを結べる」ようにしたかったので、あくまでゲームのイチ要素ではあるのですが、最終的にはいいバランスにできたのかなと思っています。 ■史実に沿って猫を集める要素を入れた結果、やり過ぎて「Rise of the Cats」になりかけた ──ロマンス要素のほかにも、犬や猫、とくに猫はこれでもかと登場しますよね。安田さんは猫好きとして知られていますが、安田さんの希望があったのでしょうか? 安田氏: まあ、私は急進的な猫派なのは間違いないです(笑)。 ゲームを作る際には、何かしら「猫要素」をねじ込みたいとは思っていて、今作でも開発の初期から「猫集め」の要素を入れていました。実際、幕末にネズミ退治のために猫が貸し出されていたエピソードがありますので、コレクト要素としておもしろいと考えたわけです。 ただ、Team NINJAには犬好きの勢力もいまして……徐々に「犬要素」も足されていったと(笑)。 早矢仕氏: 初期のころの猫集めは、いまよりもすごく難しかったんですよ。プレイ時間の多くを猫集めが占めてしまうぐらいでして……。あまりに長すぎたので、最終的に難易度を調整したんです。 ──見つけるのが難しかった、ということでしょうか。 早矢仕氏: 戦わずにずっと猫を探し続けるゲームになってはいましたね(笑)。 安田氏: 当初は、2倍近くの猫がいたんです。テンポも悪くなったので最終的に半分まで減らしました。 早矢仕氏: 最終的にはいい塩梅に落ち着いたと思いますね。 ■Team NINJAのいる市ヶ谷に忍者屋敷がある ──『Ronin』はオープンワールドですから、自由に探索してさまざまな景色を眺めることができます。開発チームとして「ここは絶対に見てほしい」という場所はありますか? 早矢仕氏: 江戸の忍者屋敷ですね。じつは……我々開発チームの所在地にあるんですよ。 安田氏: Team NINJAのいる市ヶ谷事業所の場所に忍者屋敷があるという(笑)。 早矢仕氏: 「ハッ!」と気付いて、すぐ社内チャットで開発チームに連絡したら「やっと気づいてくれましたね」と返信がきまして(笑)。 ──狙って仕込んでいたんですね(笑)。 早矢仕氏: あとは、横浜の時計塔ですね。コーエーテクモゲームス本社は横浜にありますので、時計塔をゲームに実装したときにはリアルで見に行きましたね。ランドマークが入ったときも印象深かったです。 安田氏: 京都には実際に足を運んだのですが、ちょうどコロナ禍の影響でお寺や神社にはほとんど人がいなくて。調査や検証を行いやすかったので、腰を据えて取り組むことができました。 江戸、横浜と比較すると京都は規模としては小さいのですが、密度がすごくあります。いまは観光客が多いと思いますので、ぜひ『Ronin』の京都にいらしてください(笑)。 とくに京都の北にある寺社は見惚れるほど美しい瞬間があるので、そういった景色も見ていただけるとうれしいですね。 ──京都で「ここは絶対に入れたい」というロケーションはあったんですか? 安田氏: うーん……そういう意味だと清水寺ですかね。これまで私が作ったゲームは、清水の舞台で戦うことが多くて。『NINJA GAIDEN』のときもそうだったので、「因縁」だと思って「入れなきゃ」と(笑)。 ──京都は「阿鼻機流(あびきる)」の特性が活きる、高低差のある地形が特徴的ですよね。 安田氏: なので、ぜひ清水の舞台から飛び降りてほしいですね(笑)。現実では絶対にできない、ゲームならではの体験を楽しんでいただきたいです。 ■アップデートで機能周りの拡張のほか、暗夜の治安が再び悪化 ──SIEとタッグを組んだからこそ実現できたこと、助かったことなどはあるのでしょうか。 早矢仕氏: SIEさんにはテストプレイを何度もしていただき、そのたびにレポートを送っていただいていました。 とくに、プレイヤーのみなさんが遊んだ際に「詰まってしまう」「引っかかってしまう」など、わかりにくい部分のケアがしっかりできたのは、SIEさんの協力のおかげです。 さきほどお話した「猫、多すぎ問題」もSIEさんのテストプレイとレポートがあったからこそ調整できた部分なんです。おかげさまで全体的に整った形でリリースできたと実感しています。 ──それは外部の会社にテストプレイを依頼したとき以上に、Team NINJAがゲーム作りに集中できたということでしょうか。 早矢仕氏: そうですね。というのも、外部の会社さんに依頼したとして、何度も何度もプレイとレポートの提出をお願いするというのはなかなか難しいんです。 今回は、何十回もプレイしていただき、詳細な意見もいただけたんです。ここまで細かい部分まで調整したのは初めてだったと思います。 安田氏: 「プレイヤーが仕様や遊び方をしっかり習熟できているか」「導入したシステムが使われているか」という部分までレポートをいただけて、本当に助かりました。これまで我々はすごく乱暴だったんだなあ、と実感するほどでしたので(笑)。 ──『Ronin』はプレイステーション5専用タイトルですが、DualSenseコントローラーに関してもSIEからフィードバックなどがあったのでしょうか。 安田氏: ありました。いままで我々も振動を用いた演出を入れていましたが、「ほかのプレイステーション5タイトルでは、こんな使い方で没入感を高めている」と具体的なアドバイスをいただきました。 たとえば、カットシーンで「このタイミングで振動を入れると、プレイヤーがより没入できる」といったアドバイスをいただいたり。そういった細かな部分まで協力いただけたのは本当に助かりましたし、最終的によりよいものになっていると思います。 ──アップデートも頻繁に実施されていますよね? 安田氏: 3週間に1回ぐらいのペースでバランス調整やバグ修正のアップデートを行っています。5月22日のVer1.05でいくつか拡張を入れていますが、いったんここで目処をつけた【※】感じですね。 ──暗夜で土地の治安を悪化させられる機能の追加は最高でした(笑)。 安田氏: そこを楽しんでいらっしゃる方の声をたくさんいただきましたので(笑)。「やることがなくなっちゃった」というご意見にも対応した形となります。 ──アップデートがひと段落したということで、バトルに関しての話を聞きたいのですが、『Ronin』は流派ごとに「間合い」がすべて違いますよね? 「頭のおかしいことをやってるな」と感じていて。あ、もちろん褒め言葉です(笑)。 安田氏: 間合いについては、同じ手触り、同じ反応にならないようにと最後までこだわって調整し続けた部分です。「ある程度は一律で」という意見もあったりましたが、一律にすると敵やバトルの個性が出なくなってしまう。 なので、間合いは最後の最後まで調整し続けましたし、発売後のアップデートでもチューンナップしています。 ──敵の攻撃を弾くタイプのアクションゲームはこれまでにもさまざまなタイトルがありましたが、『Ronin』は流派の導入とその種類の多さで、一歩先の手触りを見せてくれたと思っていて。「アクションゲームの先」というのはつねに意識されて開発を行われているのですか? 安田氏: もちろん、そうですね……って言うと、カッコつけている感じですが(笑)。 『ウォーロン』と『FFオリジン』という、パリィに近いアクションがあるゲームを並行して作っていたことも大きいです。ただ、『Ronin』はRPG要素もあれば、ステルス要素もありますので、石火はパリィだけでいいのか、どこまでそのアクションに重みを置くのかはかなり悩みまして、『ウォーロン』のディレクターにも触り心地の意見をもらったりもしていました。 最適なパリィのフレームというか、ベストなタイミングって見極めがかなり難しいんですね。「誰でもできるように」とすれば、もうパリィ一辺倒のゲームになってしまい、敵の行動パターンや流派ごとの「石火」タイミングも覚えなくてよくなっちゃいますから。それは我々としては絶対に避けたかったところでした。 『Ronin』は体験版を配信しなかったので、プレイヤーの皆様からダイレクトに意見を聞けなかったのですが、SIEさんのユーザーテスト、社外や社内のチューニングチームと話を通しながら、最終的に現在の形に落ち着いた感じです。 ──バトルのスピード感も最初から考えた通りの設計なのですか? 決着が着くまでのスピードが絶妙だと感じていたのですが……。 安田氏: 何度もテストプレイをしていく中であのスピード感に収束していったとは思います。ただ、Team NINJAのゲームは毎回「ちょっと早すぎない?」とよく言われるんです。 『仁王』のときもそうだったんですが、侍どうしの駆け引き、ジリジリとした感覚を演出したくてスタミナの概念を入れているんです。ただ、手触りを追求していくうちにドンドンと速くなってしまって(笑)。 ──(笑)。 安田氏: ただ、『Ronin』のバトルは速くなりすぎないように、ギリギリのところまで粘れたと思っています。 ──徒党戦のバランスもすごくいいですよね。 安田氏: 徒党は強すぎるとプレイヤーが置いてけぼりになってしまいますし、役に立たないと因縁だなんだと言っても好きになってもらえませんから、気をつけた部分です。 そういえば、徒党に関してはSIEさんから「勝海舟は最高だ!」という声をいただいたことがあって(笑)。 ──え? 安田氏: 勝海舟はサブ武器として花火の弾を投げるキャラクターなのですが、それが強すぎた時期がありまして。その強さゆえの「最高だ」というご意見だったわけです(笑)。 もちろん調整を行ったわけですが、我々としては「キャラクターの個性付けはこの方針でいいんだ」という手応えにつながるご意見でした。 ──どのキャラクターも個性がしっかり立っていますよね。倒幕派、佐幕派どちらのキャラも突き抜けた個性を感じました。 早矢仕氏: 登場キャラクターそれぞれを魅力的に描くと言いますか、誰かを一方的に描き過ぎないということは脈々とやってきている部分ですので、そこはしっかりとバランスがとれていると思います。 安田氏: 当初から「正義が複数あった時代」をテーマとしていました。それぞれにとっての正義なので間違ってはいないけれども、対立はする。 そこでプレイヤーがどちらに付くのか選択できるおもしろさ、自由度を大事にしていて。キャラクターごとに思惑があるにせよ、それぞれがちゃんと正義であることは徹底して描こう、と。 ──なるほど。ちなみに開発チームの中で人気のキャラクターは誰なんでしょうか。 安田氏: やはり新選組は妙な人気があります(笑)。ただ、おじさんメンバーの中では勝海舟が好きな人が多い気がしますね。多分、中間管理職的な苦しみがあるからなんでしょう(笑)。暴走できない立ち位置、みたいな感じで。 ──早矢仕さんと安田さんにとってのお気に入りのキャラクターは? 早矢仕氏: 歴史って、勝ったほうが未来につないでいくものです。幕末ですと、歴史を学ぶ際にはどうしても倒幕派がメインになりますよね。なので、開発していく中で佐幕側の徳川慶喜を知ることができたのが印象的でした。すごく魅力的な人物だなと。 ──たしかに、上様はいいキャラですよね。 早矢仕氏: もうちょっと将軍として構えているのかと思いきや、すごくアクティブで(笑)。自分の認識とのギャップがいちばんあったこともあって、慶喜がもっとも印象に残っています。 安田氏: 私は中間管理職っぽい勝海舟と桂小五郎に共感してしまいます(笑)。ですが、キャラクターとして誰かひとりとなれば、坂本龍馬です。先ほどの正義の話じゃないですが、今回は夜明け前……幕末の終わりがいちばん暗い、という描きたいテーマもあったんです。 日本が新しくなる夜明けで、本当にその先の未来を見据えていたのは龍馬しかいなかったというのは、今作で描きたかった部分であり、そこに主人公も関わっていたというロマンも入れたかった。そういった理由から龍馬がお気に入りですね。ただ、人気に関しては高杉晋作に圧されていますが(笑)。 早矢仕氏: (笑)。 安田氏: 人気でいうと、土方歳三、沖田総司もなんと言いますか……こちらの想像を超えています(笑)。 ──権蔵も人気がありますよね。 早矢仕氏: 権蔵はある種、メインヒロインですね(笑)。 ──猫を撫でるシーンが発売時期にバズるなど、『Ronin』はSNSでの投稿をよく見かけます。 早矢仕氏: ベアトさん(フェリーチェ・ベアト)の動画もYouTubeで結構見られていますよね。 安田氏: 料理研究家のリュウジさんがX(Twitter)で「『Ronin』クリアした!」ってポストされていたんですよ。ビックリして「ええ!?」ってなりました(笑)。『Ronin』はこれまでのTeam NINJAのゲームをプレイされたことがない方、アクションゲームのファンでない方にも遊んでいただいているなと感じますね。引き続き『Ronin』をよろしくお願いします。 早矢仕氏: 『Ronin』は、いまのコーエーテクモ、Team NINJAが全力で挑んだタイトルです。 これまで当社タイトルに縁がなかった方も手にとってみて頂いて、ぜひ幕末の『なりきり』を体験してみてください!(了) Team NINJAタイトルのファン、アクションゲームのファン以外にも刺さりつつある『Ronin』。 アクションの手触りはTeam NINJAに脈々と受け継がれている「秘伝のタレ」で仕上げ、オープンワールドだからこそのつなぎめのない世界で没入感高く「歴史となりきりの楽しさ」を提供する。コーエーテクモ、Team NINJAだからこそ作り上げることができたタイトルだということがこのインタビューから伝われば幸いだ。 冒頭で述べたようにゲームの評価は難しいし、受動的に情報が得られる時代となり、「このゲームがおもしろかった / つまらなかった」という声は意識せずとも目に入ってくるだろう。 ただ、周囲の声は必ずしも正しいとは限らないし、「合う / 合わない」の好みも千差万別だ。どうか周りに流されず「オレはこのゲームを買うし、オレはこのゲームが大好きだ」と自身の慧眼を信じてゲームを選ぶ感性を大事にしてほしい。 ・『Rise pf the Ronin』発売後初のセール実施中! 5月29日から6月12日まで開催中の“Days of Play”セールにて、『Rise of the Ronin』が発売後初のセール価格で登場。 PlayStation Storeでは通常版が25%オフの6,735円[税込]、デジタルデラックス版が23%オフの7,684円[税込]で販売されているほか、パッケージ版も店頭にて割引価格で購入可能となっているのでお見逃しなく!
電ファミニコゲーマー:豊田恵吾,竹中プレジデント
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