フェラーリ内紛再び? サインツJr.、F1中国GPの1周目ルクレールの動きに苦言「僕らのレースに影響を及ぼした」
F1中国GPを5位で終えたフェラーリのカルロス・サインツJr.は、スタート直後の1コーナーでチームメイトのシャルル・ルクレールが無茶な動きをしたことで、上位進出の可能性が絶たれたと示唆した。 【動画】ストロール、リカルドに追突。レース再開直前に大混乱|F1中国GP F1中国GPの決勝レースをフェラーリのふたりは、ルクレール6番グリッド、サインツJr.7番グリッドからスタートすることになった。そしてスタート直後のターン1で2台は並走状態となり、ターン2ではアンダーステアに苦しんだルクレールが、サインツJr.をアウト側に押し出すような格好となった。 これによりふたりはメルセデスのジョージ・ラッセルに先行を許し、その後ハースのニコ・ヒュルケンベルグにも2台揃って交わされてしまった。 ヒュルケンベルグからは比較的すぐポジションを取り戻すことに成功したが、ラッセルを抜くのには苦労。ルクレールは9周目にようやくオーバーテイクした。一方サインツJr.は、ラッセルがピットインするまでその後塵を拝する形となった。 その結果フェラーリのふたりは、4位と5位でフィニッシュ。スタートポジションよりも順位を上げたが、この1周目のチームメイト同士のバトルによって、上位進出の可能性が絶たれたとサインツJr.は考えている。 「ちょっとクレイジーなレースだった。スタート時にやったことで、シャルルと僕のポジションは、いずれもひとつかふたつ犠牲になってしまった。それがレースに大きな影響を及ぼしたんだ」 サインツJr.はDAZNスペイン版のインタビューでそう語っている。 「その後、僕らはメルセデスを追いかけた。そして彼(ラッセル)をオーバーテイクしようとしたんだ。でも彼がピットストップしたから、僕らもピットストップすることになった。かなり早い段階でハードタイヤを履かなければいけなくなってしまった」 「最後のスティントでは、非常に多くの周回を走らなければいけなかった。それでもなんとか5位に入ることができた。今回は、これが僕らにできる最大限のことだったと思う」 フェラーリは、中国GPで好成績を収めるのではないかと目されていた。しかしハードタイヤでペースを発揮するのに苦しみ、表彰台にも辿り着くことができなかった。 「正直に言って、今週末の僕らはそれほど速くはなかった。予選6番手と7番手なんて、クルマのペースはあまり良いモノではなかった」 そうサインツJr.は語った。 「レースではもっと良くなるだろうと期待していたんだ。でもそうではなかった。このサーキットでも苦しむことになってしまった」 「セットアップの面で、できる限りのことをやれたかどうかを確認する必要がある。できていなかったのなら、マシンの改善に取り組む時期が来たということだ。こういうタイプのサーキットでうまくいかないのならね」 「僕は最後までタイヤをもたせて、新しいタイヤを履いたラッセルに抜かれないようにすることに集中した。なんとかそれは達成できたんだ」 なおフェラーリのふたりは、土曜日に行なわれたF1スプリントの時にも一悶着あった。ルクレールはサインツJr.のディフェンス時の動きについて「限界をちょっと超えていた」と語るなど、苦言を呈していたわけだ。この件については、土曜日のうちにチーム内で解決されているはずだが、まだ火種は燻っているのかもしれない。 ルクレールは来季もフェラーリに残るが、そのチームメイトにはルイス・ハミルトンがメルセデスから移籍してくることが決まっている。つまりサインツJr.は、今季限りでスクーデリアを追い出される形となるわけだ。 サインツJr.としては、自身の評価を高め、来季のシート獲得に向けて有利な条件を引き出すためには、現在のチームメイトであるルクレールに打ち勝つのが最善の策である。今後もふたりの間で、激しいバトルが起きることは必至であろう。
Filip Cleeren, Juanjo Sáez
【関連記事】
- ■話し合った? 話し合ってない? フェラーリ、スプリントでの激しいチーム内バトルの見解にドライバー間で食い違い
- ■レッドブル代表、フェルスタッペンへの興味を公言するメルセデスにチクリ「それよりも自分たちのクルマをなんとかした方がいいよ」
- ■あれさえなければ……ペレス、F1中国GPはセーフティカー出動でレッドブル1-2のチャンス失う「挽回のためタイヤを使いすぎた」
- ■中国で苦境に陥った角田裕毅、問題解決できるのか? レース中に僚友リカルドのマシンを観察「トラクションの量がかなり違っていた」
- ■角田裕毅、中国GPは散々な週末に。混乱の中順位上げるもマグヌッセンに撃墜され終戦「僕はかなりスペースを空けていたから腹立たしい」