立川晴の輔 「笑点」メンバー抜擢、日テレ担当から「漏れたら破談」と冗談ぽくも…マジだと思いました 52歳新人、晴れやか新風
「4年間楽しかったと心からいえる大学生活を送るには、面白い人がいそうな落語研究会がいいと思ったんです。入ってみると、クセのある人ばかりでしたが、付き合ううちにみんなイイ味が出て今でも仲良しですよ」
入部して「落語とは何ぞや」を求め落語を聴きまくり3カ月。
「たまたま、渋谷の東邦生命ホールでやっていた志の輔独演会に行き、師匠の落語を見終わると席から立ち上がれないほどでした。登場人物が鮮明で立体的に見え、完全に江戸の世界に連れていかれたんです」
以降、卒業までの4年間、志の輔独演会に欠かさず通い続け「弟子入りしたい気持ちが1ミリも変わりませんでした」。
卒業後、志の輔に何度も弟子入り志願を続けると、熱意が伝わり入門を許された。
真打昇進への道は険しかった。
「4回開いた独演会を毎回満席にして最終回。師匠が見に来てくださって、最後に舞台で『真打に値します』と言ってもらえたのですが、『真打にする』じゃないんですね」
翌日、あいさつにいくと「何かがズレてる」と言われて追試験が待っていた。
「長野県飯田市であった師匠の独演会に自ら先乗りし、前座の次に『ねずみ』をやる許可をいただきました」
師匠目当ての客の前で弟子が大ネタをみせるというのは正直厳しい。
「ところがすごく温かいお客さまで、なぜかうまくいって、次に上がった師匠が『ねずみをやれと命じたのは私です。私の弟子が真打になった瞬間を見届けたと思っていただいて結構です』と言ってもらえたんです」
メンバーカラーの色紋付は鳥の子色(クリーム色)。
「52歳の新人。年齢を重ねるうちに失敗を恐れるようになる中、50代で新たなチャレンジができる幸せもかみしめています」
明るくまっすぐなキャラクターで新たな風を吹かせ溶け込み、存在感を示し始めている。
■立川晴の輔(たてかわ・はれのすけ) 落語家。落語立川流・立川志の輔一門。1972年11月21日生まれ、52歳。岡山県作陽高校、東京農業大学農学部卒業。97年、立川志の輔に入門し、志の吉を拝名。2003年、二ツ目に昇進。08年、「東西若手落語家コンペティション」グランドチャンピオン。13年、真打昇進、晴の輔に改名。現在、「笑点」(日本テレビ系)のほか、「晴の輔・めろんのかなフィルふぃ~る」(テレビ神奈川)、「週刊なるほど!ニッポン」(ニッポン放送ほか)に出演中。