ヘビー級統一王者ウシク、ラウンド間に”吸入器”疑惑で炎上も、意外な真実
5月19日(日・日本時間)サウジアラビア・リヤドでプロボクシング史上初の主要4団体世界ヘビー級統一戦が行われ、オレクサンドル・ウシク(37=ウクライナ)がタイソン・フューリー(35=英国)に判定2-1勝利し、見事4団体王者に輝いた。 この試合後、SNSでは7R終了時にウシクがある角度から吸引機を吸っていたのではないかという疑惑の動画が流され、一部で炎上した。 しかし別角度の映像や、会場にいたファンの証言で、”十字架”であることが判明。確かに拡大すると十字架に見える。 【フォト・動画】ウシクが吸入器を使用!?問題の映像 試合が大きく動いたのは9R、ウシクがフューリーを左フックでグラつかせ、猛ラッシュでダウンを奪った所から。 中盤はフューリーが長いパンチで優位に立っていた。 この9Rの前、7R終了時のウシクのコーナーでは、セコンドが何かを差し出し、ウシクがそれを吸い込んでいるように見える映像が流れた。 丁度セコンドの一人がタオルで隠しているようにも見え、ウシクのアンチらがこの動画を拡散。「吸入器を使っている」「失格にしろ」と声を上げていた。 ボクシングのルールではリングサイドに持ち込んでよいものは「水、ワセリン、氷」(日本ボクシングコミッション試合ルールより)他、止血道具等に限られ、酸素・薬品の吸入器は認められていない。 ボクシングではないが19年10月、UFCでグレッグ・ハーディがラウンド間に喘息の吸入器を使用し、無効試合となっている。 しかし、ボクシングジャーナリストや会場のファンによると、吸入器ではなく”十字架”だったことが判明した。 セコンドはウクライナ語で、ウシクに「十字架が欲しいか?」と尋ね、ウシクは「イエス」と差し出された十字架にキスをしたのだった。 敬虔なクリスチャンであるウシクは、これまでの試合でもラウンド間に十字架にキスをしていたことがある。 ファンは「信仰が彼にKOパワーを与えた」「アスリートにとってどのようなことが真に大事かわかる」と、ウシクの信仰深さを称える声へと変わった。 9Rのダウンでポイント差をつけられ、2-1判定負けしたフューリーは、再戦を行うつもりだ。