「日中韓首脳会議」4年半ぶりに復活した3ヵ国会議を議長国・韓国の主要メディアはどう報じたか?
尹錫悦政権の喫緊の課題が浮き彫りに
27日に開かれた韓日中3国首脳会談に対する総評としては、安保面での3国間の意見の食い違いが集中的に取り上げられた。 「9回目を迎える歴代の韓日中首脳会議を通じて、これほど明確な立場の差を露出したことはなかった。合意された内容を盛り込んだ共同宣言文に、“それぞれ再強調した”(reiterated respectively)という表現を使ったこと自体が異例だ。 当初、共同宣言文の草案には“韓半島(朝鮮半島)の完全な非核化を共通目標にする”という文句が入ったが、中国が強く反対したという。結局、宣言文は“韓半島の完全な非核化を約束する”(2018年)、“韓半島の完全な非核化に向けて努力する”(2019年)という表現を使った過去に比べて大きく後退した」 (『朝鮮日報』28日社説「成果とともに物足りなさも残した韓日中首脳会議」) 「韓半島非核化と関連した合意が導き出されなかった点は失望させられる。李首相は共同メディア発表の際にも韓日首脳とは違って、韓半島非核化に言及しなかった。 このような(中国の態度の)後退は、米中競争の中で韓日米協力など新冷戦的構図が深化し、北朝鮮が事実上核武装を完成した現実と関係がある。中国はますます韓半島問題を米中関係の従属変数と見ているようだ。これは韓国には良くないシグナルだ」 (『京郷新聞』28日社説「‘協力と違い’を見せた韓日中、北東アジアの新冷戦解決へ」) 尹錫悦政権は、政権の最高業績として外交問題を挙げる。唯一の同盟国である米国との関係強化、悪化の一途をたどっていた日韓関係の改善などを通じて、国際社会で韓国の地位を高めたという自評だ。 ただ、一方で、米国・日本と密着したあまり、朝鮮半島の安保や経済において大きな比重を占めている中国との外交が疎遠になっているという憂慮が絶えず提起されてきた。 今回の会議は、北朝鮮の挑発が日増しに激しくなっている中で、韓中関係に対する積極的な管理、日韓間におけるLINEヤフー問題をめぐる韓国内の反発世論に対する危機管理が、尹錫悦政権にとって喫緊の外交課題だという点を改めて認識させる機会となったはずだ。
金 敬哲(ジャーナリスト)