流行を牽引する! ウォッチズ&ワンダーズ2024で発表されたスポーツウォッチ5選
チューダー「ブラックベイ 58 GMT」
チューダーのブラックベイ コレクションに新作「ブラックベイ 58 GMT」が登場した。直径39㎜サイズのケースにバーガンディ・ブラック・ゴールドプレートの3色使い回転ベゼルを合わせたスタイルに、待望のGMT機能が加わった。搭載されたマニュファクチュールキャリバー「MT5450-U」は、モジュールを追加した改良型ではなく、まっさらな新設計のムーブメントである。しかも、マスタークロノメーターの認定を取得。つまりはムーブメントがCOSC認定を受けたクロノメーターであるのに加え、スイスの政府機関であるMETAS(スイス連邦計量・認定局))により精度、耐磁性、 防水性、 パワーリザーブ等の認証を受けた、スイスメイドの最高基準を満たしているということだ。スノーフレーク型の時針、ロリポップスタイルの秒針など、マニア心をくすぐるディテールの一方、約65時間のパワーリザーブを誇り、ユーザーを満足させるアップデート感も満載である。
ゼニス「デファイ スカイライン クロノグラフ」
ゼニスから登場した「デファイ スカイライン クロノグラフ」は、高振動自動巻クロノグラフキャリバー「エル・プリメロ」を要するマニュファクチュールの真骨頂ともいえる新作だ。八角形を基調とした幾何学的で複雑なファセットカットの42mmケースは、初期「デファイ」のケースと多面のベゼルをモダンにアップデートした斬新なデザイン。文字盤上には4 つの点を結んだ星のエングレービングを散りばめ、星空を描く。性能面では毎秒10振動のハービートである「エル・プリメロ」の能力を最大限に活かす、10秒で1回転するクロノグラフ針を装備し、1/10 秒単位のスケールが刻まれたフランジリングに、正確無比な計測記録を残す。ケースにはクイックストラップチェンジ機構が組み込まれ、工具を使わずボタンを押すだけで、3 連のスチールブレスレットを付属のラバーストラップに交換できる。
ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」
「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」に登場した新作には、ワールドワイドなニュースバリューがある。24時間回転ベゼルのセラミック製セラクロムインサートのカラーは、初めてのグレーとブラック。これから世界中のマニアが、この新しいカラーコンビネーションのニックネームについて議論するだろう。24時間針の躯体とブラックラッカーダイアルに上の「GMT-Master Ⅱ」の表記に採用されたグリーンについてはすでに話題に。耐蝕性・耐久性・研磨性に優れたオイスタースチール製のオイスターブレスレットまたはジュビリーブレスレットのどちらが好みかも、意見の応酬があるだろう。1955年に発売された初代の「GMTマスター」は1982年に「GMTマスター Ⅱ」を生み、すでに42年。それだけの経過を経てなお、この時計はGMTウォッチの中心にいる。 世界的な腕時計ブームを加速するスポーツウォッチの新作は、『ウォッチズ&ワンダース』でも大きな話題を呼ぶ。定評あるブランドが意欲的な新作を発表した今年もまた、スポーツウォッチが流行を牽引していく予感がある。
文:並木浩一