衆院3補選告示、裏金事件を問う 28日投開票、解散戦略に影響
岸田政権の命運を左右する衆院3補欠選挙が16日、告示された。自民、立憲民主両党は唯一の与野党対決の構図となった島根1区で総力戦を展開。派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風下の自民は東京15区、長崎3区で異例の不戦敗となった。結果は、岸田文雄首相の衆院解散や9月の自民総裁選での再選戦略に影響する。3選挙区とも裏金事件など「政治とカネ」問題が絡んでおり、政治改革の在り方と併せて論戦の焦点となる。28日に投開票される。 自民の清和政策研究会(現安倍派)の会長を務めた細田博之前衆院議長の死去に伴う島根1区が最大の注目区だ。同派は裏金事件で批判の的となった。自民は事件の影響などで劣勢と危機感を強めている。渡海紀三朗政調会長は党会合で、新人の元中国財務局長、錦織功政氏(55)=公明推薦=の立候補を巡り「自民の命運を懸けた選挙だ」と強調した。 立民からは元職の亀井亜紀子氏(58)が出馬。同党は裏金事件批判を前面に戦う戦術だ。泉健太代表は裏金事件を念頭に「自民党に任せていては、政治は変わらない」と東京都内で訴えた。
公選法違反事件を巡る柿沢未途前議員=自民離党=の辞職を受けた東京15区補選は計9人の混戦。立民新人の元江東区議酒井菜摘氏(37)、日本維新の会新人の元会社員金沢結衣氏(33)=教育推薦、無所属新人の作家乙武洋匡氏(48)=国民推薦=の3氏が軸となる見通し。政権批判票の争奪戦となりそうだ。 長崎3区補選は、裏金事件を巡る谷川弥一前議員=自民離党=の辞職に伴い実施。立民前職の山田勝彦氏(44)=社民推薦=と日本維新の会新人の学習塾経営井上翔一朗氏(40)=教育推薦=の対決となった。