賛否に23倍の差…松本人志 “芸能界復帰署名”で明らかになった性暴力への圧倒的拒否感
2023年12月に「週刊文春」が報じたダウンタウンの松本人志の性加害報道。これに対して松本が《事実無根なので闘いまーす。》とXでつぶやいたのは、2024年1月8日のことだった。松本は芸能活動を休止、さらに発行元の文藝春秋社に5億5000万円の損害賠償請求と訂正記事を求める訴訟を起こすなど曲折をたどったが、10ヶ月後の11月8日に、松本側が訴訟を取り下げたことがわかった。 【ランキング1~10位】「もうテレビで見たくない」不祥事タレント 「松本さん側が訴えの取り下げを提案したということのようです。交渉は数カ月に及び、松本さんが女性へ謝罪の意思を示すことで折り合いがついたようです。金銭の授受はなかったということです」(芸能担当記者) 取り下げの背景には、松本が「早期復帰」を望んでいることがあるようだ。 「しかし『性加害』というスキャンダルの性質から、テレビでの復帰はハードルが高い。11月29日にフジテレビの港浩一社長が定例会見で、『吉本興業の幹部が弊社の編成幹部を訪ねてきて、話をしている』と現状を説明、松本さんの仕事復帰については『(一連の問題について松本本人の)説明のないままなら、考えづらいと思う』とも語りました。他局も、おおむね同じような反応です。 こうした事情から、おそらく復帰は吉本興業の劇場になるのではないかとみられています。相方の浜田雅功さんの意向も気になるところです」(芸能ジャーナリスト) 一方、ファンの反応はどうなのだろうか。Xには《ファンはもう一年近く待ってます》《もう松ちゃん復帰までカウントダウンやろ》《松本人志さんの復帰で声出して泣ける》など復帰を待望するポストが溢れているが、「世界最大のオンライン署名サイト」を謳う「change.org」では少し違った風景が見えてくる。 「#松本人志氏の復帰やめて!性加害者の起用には絶対反対です。性暴力に寛容な業界の体質を変えてください」と題した、松本の復帰反対を訴える署名活動には、43892人もが賛同(12月1日14時30分現在)している。同署名の説明文には、「性加害は重い人権侵害」「謝罪文と言えるレベルではなくあまりに不誠実」「何ら説明責任を果たしていない」などの文章がしたためられている。 一方、復帰を擁護する「偏向報道反対!私刑反対!松本人志さんをテレビで観たい」という署名には、「金銭の授受などは一切ない」「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を文春に認めさせた」などと主張する文章が記載されているが……。賛同の声はわずか1885人にとどまっているのだ。 松本復帰に反対と賛成の署名。前者は11月15日に、後者は翌16日に立ち上げられたが、約2週間の募集期間の間に、集まった署名の数にはおよそ23倍もの差が生まれているのだ。この数値を見る限り、世論は圧倒的に復帰反対に振り切れているようだ。 「松本さん以降、芸能界やスポーツ界でも性加害の報道がいくつもありました。それらによって世間に『嫌悪感』が蔓延していることは間違いありません。 この状況では松本さん待望の声は上げにくい。次第に世間では『松ちゃんがいなくても構わない』という空気が出てきているのではないでしょうか」(前出・芸能ジャーナリスト) 松本の復帰への賛否については、これだけの圧倒的な差が数字に表れている。もしも復帰が果たされたとしたら、テレビ局や番組スポンサーは、この分断を埋めることができるのだろうか。