姫田忠義と民映研による「越後奥三面 山に生かされた日々」リマスター版が劇場公開
現在はダムの底に沈む新潟県の北部、朝日連峰に位置する奥三面(おくみおもて)の村の生活を記録した映画「越後奥三面 山に生かされた日々」のデジタルリマスター版が、4月27日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。 【動画】山の恵みを受けて暮らす人々の生活を記録「越後奥三面 山に生かされた日々」予告編 本作は縄文時代から人が住んでいた痕跡がある奥三面の地域で、ダムの建設による閉村を前に、山の恵みを受けて暮らす人々の生活を記録した1984年の作品。手がけたのは記録映画作家・映像民俗学者として知られる姫田忠義が率いた民族文化映像研究所(民映研)だ。山の恵みをくまなく利用する生活が保たれていた奥三面を知った姫田たちは、生活全般のありのままの記録を残すことを目的に、1980年から4年間にわたって撮影を行った。 姫田の没後10年となる2023年の節目に、東京のアテネ・フランセ文化センターで大規模回顧上映が開催。269本に及ぶ民映研の作品郡から23作品が厳選され、6日間にわたって上映された。会期中には主催側の予想を大きく上回る1500人が来場したという。デジタルリマスター版はクラウドファンディングで資金を募り制作。16mmのネガフィルムを4Kスキャンした高精細の映像に加え、映画完成当時の音声テープから音源もデジタル化された。 16mmフィルムの質感を生かしつつ、画面の細部の解像度が上がったことで資料としての価値も向上。デジタル版の完成によって、劇場での全国公開が可能となった。配給は民映研が担当。YouTubeでは予告編が公開されている。 (c)民族文化映像研究所