BCGが教える業界別生成AI活用事例、情報検索はどう変わるか?
生成AIは進化の途上にあるがその原理上、文書生成やデザイン、自然言語コミュニケーションなどが得意である一方、数字計算には従来型の機械学習ベースのAIが適している。つまり、得意/不得意がはっきりしているのだ。では生成AIはどのような用途で使えば有効なのだろうか。「日常的に使う人ほど楽観的」な理由を含めボストン コンサルティング グループ(BCG)の調査から「生成AIへの取り組み方」を紹介する。 【詳細な図や写真】次ページ以降、複数のスライドでBCGの生成AI調査を紹介
※本記事は『BCGが読む経営の論点2024』の内容を再構成したものです。
生成AIの先行企業はどう取り組んでいるのか
メディアで「司法試験に合格できるレベル」などと報じられる生成AIは、実際にはまだAGI(汎用人工知能)へと進化する途中段階ではあるが、その過程において大きく歩を進めた。経営者はこの進化を競争優位性構築の機会と捉え、すぐにでもビジネスプロセスやビジネスモデルの変革に取り組まなければならない。もはや待ったなしの状況といえるだろう。 当然ながら、生成AIさえ導入すれば、すべてが自動化されたり生産性がすぐに上がったりするわけではない。 たとえば、ダイナミックプライシング(価格変動制)、マーケティング費用の最適化、需要予測など、数字を扱って計算する領域は、従来型の機械学習ベースのAIが得意とするところだ。一方、生成AIは文書の生成、デザインの原案作成、自然言語によるコミュニケーション、シミュレーションなど、表現やユーザーインターフェースにおいて大幅な利便性の向上をもたらす。 したがって、ユーザーインターフェースでは生成AIを使い、裏では別のAIやルールベースのエンジンが動いているというように、特性の違いを踏まえながら適切に組み合わせて、適材適所でどう用いるかを考えていく必要がある。すでにデジタルトランスフォーメーションに着手、推進してきた先行企業は、生成AIの効果的な適用機会を見出し、変革を加速させようとしている。