ANA 787-10国内線仕様、夜の羽田へ到着 777-200より4.3m長い787
全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-10型機の国内線仕様初号機(登録記号JA981A)が3月20日午後10時30分すぎ、羽田空港へ到着した。初便は27日の羽田発札幌(新千歳)行きNH59便で、その後は那覇、福岡、伊丹の順で就航を計画している。 【写真】羽田に到着したANAの787-10国内線仕様初号機 ANAは787-10の国内線仕様機を現地時間17日に初受領。18日に米サウスカロライナ州のノースチャールストンをフェリーフライトの羽田行きNH9399便として出発。ロサンゼルスとハワイのホノルルを経由し、20日午後10時24分に羽田のC滑走路(RWY34R)へ着陸し、205番スポット(駐機場)へ33分ごろ到着した。 787-10の国内線仕様機は座席数が2クラス429席で、プレミアムクラス28席、普通席401席。シートは2021年12月9日に就航した787-9の国内線新仕様機(2クラス375席:プレミアムクラス28席、普通席347席)と同じで、エンジンも同じくGE製GEnx-1Bを採用している。 国内線予約画面で表示される787-10の機材名は「78K」。429席はANAの国内線機材で最大となる777-300の2クラス514席(プレミアム21席、普通席493席)に次ぐ座席数で、置き換え対象となる777-200ERの2クラス405席(プレミアム21席、普通席384席)や、2019年11月16日就航の新仕様2クラス392席(プレミアム28席、普通席364席)を上回り、燃費は約25%改善が見込まれる。 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、787-10は胴体がもっとも長い。全長は787-8(56.7メートル)と比べて11.6メートル、787-9(62.8メートル)より5.5メートル長い68.3メートルで、777-200/-200ERよりも4.3メートル長い。787のローンチカスタマーであるANAは、3機種すべてを運航している。 787-10は787-9と設計と部品を95%共通化しており、GEnxを搭載する787-9の新仕様機と比べて普通席が54席増えた機材と言え、旅客需要の変動に応じた機材繰りに適している。 ANAHDは、2020年2月に787を最大20機追加発注したと発表。確定発注は超長胴型の787-10が11機、長胴型の787-9が4機の計15機で、このほかに5機の787-9をオプション発注(仮発注)した。787-10は国内線、787-9は国際線に投入する。 3月19日時点の投入計画は、27日の羽田-札幌線1往復(NH59/62)に投入後、30日の羽田午後8時15分発のNH479便から那覇線、4月1日の羽田午前9時発のNH245便から福岡線、9日の羽田正午発のNH23便から伊丹線に投入する見通し。那覇線は31日に3往復6便と那覇発羽田行き1便を加えた計7便運航し、4月1日から8日まで1日3往復を計画しており、福岡線は1日1往復、伊丹線は同3往復となる見込み。 初便となる札幌線は3月28日から4月7日までは投入を計画しておらず、8日の羽田午後8時発NH79便から再開し、9日から1日3往復投入する見通し。いずれも今後の機材繰りなどで変更になる可能性がある。 2号機はJA983Aとなる見通しで、初号機と同じく2月21日から納入前の試験飛行が行われている。ボーイングでは787の納入遅延が発生しており、787-10の国内線仕様機は当初、2023年秋の導入を計画していた。 2019年に就航した国際線仕様機は3機で、エンジンはロールス・ロイス製エンジンのトレント1000を搭載。東南アジアを中心とした中距離国際線に投入している。
Tadayuki YOSHIKAWA