“吹っ切れた”リーダーになるための第一歩とは? 『リーダーシップの旅』に学ぶ、自分をリードする方法
ビジネス書の名著・古典は多数存在するが、あなたは何冊読んだことがあるだろうか。本連載では、ビジネス書の目利きである荒木博行氏が、名著の「ツボ」を毎回イラストを交え紹介する。 連載第17回は、リーダー教育機関アイ・エス・エル(ISL)創設者で大学院大学至善館理事長兼学長の野田智義氏とリーダーシップ研究の第一人者・金井壽宏氏が、リーダーシップのプロセスを「旅」になぞらえ解説した名著『リーダーシップの旅』(野田智義、金井壽宏著、光文社新書)を取り上げる。リーダーになるために本当に大切な第一歩とは? ■ 心の底から見たい景色はあるか? あなたはリーダーですか? 唐突にこんな質問を投げ掛けられたとしたら、あなたは何と答えるだろうか? しかし、この問いの答えは重要ではない。この質問で大事なことは、なぜそう答えたのか、その理由だ。 Yesと答えた人は、その根拠をどこに求めただろうか? ひょっとしたら「自分は部長なので…」とか、「メンバーが10人いる組織のリーダーを任されているので…」といった役職や肩書きにあるかもしれない。 しかし、リーダーの根拠を肩書きに求めてしまうと、リーダーの本質的な問いを見失うことになる。 では、その問いとは何か? それは、「あなたは自分自身をリードしているのか?」というものだ。 つまり、自分が心の底から見たい景色があり、その景色を見るために、自分の中にある抵抗勢力を押しとどめて自分を奮い立たせているか、ということだ。 例えば、私がかつて新たな事業を考えていた時。その時は新たなサービスを通じて、多くの人のライフスタイルが変わっている景色を見たいと思っていた。周囲からはいろいろ現実的な問題点を指摘され、自分もそのリスクは怖かった。しかし、それ以上に、自分が見たいと思える景色があった。だからこそ、あの時の私はサービス開発へと踏み切った。