今年の京都記念は超一線級不在 荒れ馬場で浮上する伏兵2頭が高配当を演出か
「ベラジオオペラはデビュー以来、6戦4勝。敗れたのは、GIの皐月賞(10着。4月16日/中山・芝2000m)と日本ダービー(4着。5月28日/東京・芝2400m)だけです。 とりわけ皐月賞は、関東圏への遠征が年明け3戦目。それも、道悪のGIIスプリングS(1着。3月19日/中山・芝1800m)を走った疲れを抱えたままで、間隔の詰まったローテーションが明らかに堪えたものでした。 そこから中5週で迎えたダービーは、4度目の関東遠征でさすがに上がり目はないと見ていましたが、4着と善戦。1枠1番という好枠を生かしたとはいえ、勝ったタスティエーラからタイム差なしの奮闘は評価できます。 秋はクラシック戦線をパス。長期休養のなかで春の疲れを取りつつ、さらなる成長をうながして、20kg増で臨んだ復帰戦の前走・GIIIチャレンジC(1着。12月2日/阪神・芝2000m)では底力を示しました。 その後も無理使いせずに、今年はここから始動。中間の攻め気配は前走以上で、立ち回りのうまさや馬場適性を考えれば、中心は揺るがないでしょう」 こうして、吉田記者はベラジオオペラを中心視しながらも、好配当ゲットも見据えて2頭のヒモ穴馬をピックアップする。 「1番手は、ブレイヴロッカー(牡4歳)。460kg前後のドゥラメンテ産駒で、ここにきて本格化し、2勝クラス、3勝クラスと連勝中です。 その要因として考えられるのは、以前に比べると、パドックでも推進力とリズムがよくなっている点。それが、操縦性のよさにつながっている印象です。
調教では頭が高めでシャープさを欠いていましたが、もともとが実戦向きで時計は合格点。つなぎの短さや走法から、今の荒れた京都の馬場も合うイメージです。スペースを見つけて、きっちりと差し込んでくるのではないでしょうか」 吉田記者が推すもう1頭は、プラチナトレジャー(牡6歳)。こちらも、前走で3勝クラスを勝ち上がってきた馬だ。 「前走の3勝クラス・甲斐路S(10月22日/東京・芝2000m)を勝ってオープン入り。荒れ馬場も問題なくこなすキングカメハメハ産駒で、つなぎは短めで破折気味の脚元やグリップ力のある走法から、今の京都コースも合うはずです」 重賞は3歳時のGIII共同通信杯(7着。東京・芝1800m)以来、実に3年ぶりの出走だが、吉田記者は7番人気での激走を決めた前走の再現を期待する。 「前走は斤量や時計がかかる流れなど、恵まれた部分はあります。ただ今回も、馬場やメンバー構成からして、時計勝負にならない点は好材料。鞍上が距離ロスを避ける騎乗をする岩田康誠騎手なら、一発の魅力を感じます」 昨年はダービー馬のドウデュースが圧勝した歴史ある一戦だが、抜けた本命馬不在の今年は"大荒れ"もある。ここに挙げた2頭が高配当を演出してもおかしくない。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu