浅野忠信、瀧内公美ら出演 写真家・深瀬昌久の生涯描く4カ国合作映画『レイブンズ』公開へ
浅野忠信が主演を務め、瀧内公美が共演したフランス、日本、スペイン、ベルギーの4カ国合作映画『Ravens(原題)』が、『レイブンズ』の邦題で2025年3月にTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかで全国公開されることが決定した。 【写真】『レイブンズ』場面写真 本作は、実在した写真家・深瀬昌久の78年にわたる波乱万丈の人生、そして最愛の妻であり最強の被写体であった洋子との50年にわたる複雑で普遍的な愛を、実話とフィクションを織り交ぜて描いたダークファンタジーラブストーリー。本作の原題となった「Ravens」とは、カラスを執拗に撮り続けた深瀬の代表作「鴉」の英題である。 監督と脚本を務めたのは、『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』のマーク・ギル。2015年に深瀬の作品に衝撃を受けたギル監督は、9年かけて映画化を実現させ、製作はVestapol、Ark Entertainment、Minded Factory、The Y House FilmsがTownhouse Media Filmworksと共同で行った。 深瀬は、1974年に森山大道らとニューヨークMoMAの『New Japanese Photography展』で作品を発表し、妻の洋子やカラスを被写体にした作品で一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ1992年転落事故で脳障害を負い、20年の闘病の末、2012年に亡くなった写真家。近年、欧米を中心に再評価が進み、2023年には東京都写真美術館で大回顧展が開催された。本編にも、深瀬の希少な写真作品や35mmフィルム作品が登場する。 深瀬を演じる浅野は、彼のミステリアスな実像に迫っていく。洋子役は本作が海外合作映画初挑戦となる瀧内が務め、無口な深瀬と負けず嫌いな洋子の、狂気とユーモアに満ちたヒリヒリするような生活を体現した。 あわせて、瀧内とギル監督の姿を捉えた撮影風景と場面写真、そしてタイトルでもある深瀬の写真作品「鴉」が公開された。 コメント マーク・ギル(監督) 深瀬のことは2015年にイギリスの新聞で掲載されていた記事で知りました。彼の写真はもちろんですがそれを越えて複雑な深瀬と洋子の愛の物語が私を魅了しました。最初から深瀬役には浅野さんしか頭にありませんでした。プロデューサーたちには彼がキャスティングできなければこの映画はやめると言っていたほどです。ありがたいことに彼は企画を気に入ってくれて早い段階でコミットしてくれました。 洋子役に関しては、特別な女優をキャスティングする必要があるとずっと思っていました。洋子本人と数日間一緒に過ごしてみて、洋子を演じる女優には、深瀬(浅野)の強烈な重力にも拘わらず決して彼の影に隠れない強さが必要になるだろうと感じました。最初に公美を見たのは『火口のふたり』でしたが、スクリーンに映し出される存在感とともに彼女の勇気に感動しました。 日本は私が深く愛する国ですし、いつも温かい歓迎を受けてきました。日本での公開を心の底から楽しみにしています。 浅野忠信(深瀬昌久役) 『レイブンズ』本当に僕はもう好き放題やりました。僕にしかできない役だったと思いますし、僕が経験してきたことが全て活かせた役だと思います。深瀬さんという魅力的な人に出会えたことで、僕もここまでできたんだなと思うので、その好き放題やっている僕を楽しんでもらえればありがたいです。 瀧内さんは、きちんと役としてその場に生きてくれていたので、洋子そのもの。瀧内さんの鋭い勘には感謝してます。 瀧内公美(深瀬洋子役) 憧れの浅野忠信さんとのお仕事はとても刺激的で忘れられない体験になり、役者人生の中でこれ以上ない幸福な時間を過ごさせてもらいました。 脚本を読むかぎり、どのような仕上がりになるのか未知な部分もありましたが、マーク・ギル監督の才気がほとばしる、想像以上に素晴らしいファンタジックな物語が出来上がりました。 ぜひお楽しみに!
リアルサウンド編集部