「病院を辞めてクラフトビール業界に転職したが…」夢を叶えるためには幸せを犠牲にしないといけない?
● けんすう氏の答えは? 面白い質問ですね!答えます! 結論でいうと「自分の幸せの価値観」みたいなのは流動的なものだ、と思っておくほうが、自由度が高くていいんじゃないかと思っています。 僕らは、なんか「今、これが幸せだ」と考えているものはこれからもそう思うだろう、と考えがちなんですが、全然そうではないんですね。 例えば「仕事は8時間で、あとはプライベートの時間があるべき」というのが幸せだったとしても、やってみれば「1日12時間、大好きな仕事に関われる方が幸せだと感じる」ということがあるかもしれません。 逆に、仕事に時間を費やして、それが幸せだ、充実感があると思ってた人が、仕事を辞めたり、病気でそうでない働き方になった時に「こっちの方がいいな」と気づくこともあります。 要は、結構変わるもんだし、わからないんですよね。 僕も、結構コロコロと変わるタイプなので、あまり今の自分の幸せの価値観を信じていません。 一番もったいないのは「これは自分の幸せの価値観と違う」と思って、変化を拒否することです。 質問主さんの今までの働きっぷりを知らないですが、長く働くことが本当にダメなことなのか?というのは、実は2~3年やってみないとなんともいえなかったりします。 最初は変化があるので、絶対に辛いと思うんですが、慣れてきたら「あ、でも好きな仕事だったら長い間働くのはそんなに辛くないな」かもしれませんし、そもそも「長く働く、というイメージだったけど、意外とのんびりしているので、時間拘束はそこまで問題じゃないな」となるかもしれません。 というので、自分の幸せはこうだ、とあまり決めつけないで、やってみるといいんじゃないかなあ、と思います。
● 12時間労働は、マスト事項なのか? また「平日に時間を取られるのは辛くないけど、休みの日は必須だな」と思うかもしれないですし、「3年やってみたけど、絶対に無理だわ、この生活は続けられない」と思うかもしれません。 ちなみの僕の友達もクラフトビールのお店をやっていますが、その傍らで、エンジニアとして、会社の経営に近いところなどもやっていたりします。 つまりは、二足のわらじですが、ちゃんと二つとも成果を上げています。なので「絶対に12時間働かないといけない」はそうでもないんじゃないかなあ、と思ったりします。店の方針にもよるでしょうし、自分で店をやるなら自分で決められる部分もあるはずです。 というので、今の状態だと「いま、誘ってくれている店だと長く働く方針」というのはわかっていますが、これによって「夢を取るために生活を犠牲に…」まで考えるのはちょっと行き過ぎかなあ、と。しかも、1カ月お試しでいいよ、とも言ってくれていますし、その後に、いくつかの店で働いてみるとか、ヒアリングしてみるとかもできるわけなので……。 「1カ月間という短い間も、絶対に12時間は働きたくない。それは幸せを犠牲にする」と感じるのであれば、「経験を得たり、業界知識や繋がりを得ることを捨てて、ものすごいリスクを払って自分の店を持つ」という手段になるでしょう。 ただ、これはこれで「店舗を潰してしまうリスクがある」「借金を多額抱えるリスクがある」「しないでいい失敗をしてしまうリスクがある」とかになるかもしれません。それはそれで「店を作ったが失敗して、借金を背負って、しばらく働きたくもない業界で長時間労働をして、借金を返す人生になる」とかになったりするかもしれないなあ、とか思っちゃいます。 というので、なんか変な方向に悩んでいて、もったいないなあ、というのが正直なところでした。 というわけで、個人的な意見ですが、「ある程度無理だな、辛いな、と思うことを抱えてでも、夢に向かって動いた方が幸福度は高い」と思っています。 お金の余裕がなくなるとか、時間が辛くなる、というのは発生してもそんなに実は幸福度が下がらないんですが「夢をあきらめて、好きじゃない仕事をやり続ける」を選んだ人は、なんかみんな後悔しているような気がします。 借金を多く抱えるとか、取り返しがつかない不可逆な失敗をしてします、とかならまだしも「長時間労働を一定期間する」とかは、後々になると「あの時に頑張って経験値を貯めておいてよかったな」となることはよくあります。 というか、年齢を重ねたらそもそも長時間労働が無理になるので、「無理できる時に無理をして経験値を貯めておいた方が、その複利で後々楽になる」ということもあったりするので……。 個人的にはこの条件で、1カ月やるとかはリスクがほとんどないので、あまり悩まずにやってみてもいいかなーと思いました。 参考になれば!
けんすう(古川健介)