先週2位の38歳・藤田さいきさん、難しいアイアンはキツくないですか?【女子プロセットのどこマネる!?】
38歳となる今でも250Y近く飛ばし、ツアー通算6勝を誇る藤田さいきのセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。 特注のインサートで、硬さを出している藤田の愛用パターはこちら ◇ ◇ ◇ 今年で藤田プロも38歳になるんですね。感慨深いです。以前勤めていたメーカーで長く携わることができた選手なので、この年齢でパワフルなショットを打つ点は本当に尊敬します。23年の平均飛距離が249.06ヤードはスゴイ。「体に負担のないように、『大きな体重移動』と『大きくタメを作る動き』を少なくしている最中です」と語っていたそうですが、ベースとなるスイングの動きはそれほど変わっていないように見えます。 彼女は重心距離が短い小型ヘッドのアスリートモデル『キャロウェイ Xフォージドスター』を使います。上から打ち込めないアマチュアには難しいと思いますが、彼女は手元を急激にターンさせる動きを入れるため重心距離が短い小型ヘッドでも合うのですね。以前はアイアンが3番から入っていたので、本当にアイアンが得意な選手なのでしょう。 彼女が大型ヘッドを使うと、重心距離が長すぎてフェースコントロールできなくなると思います。リストターンを使うので、タメを作った後にリリースして、ダウンブローで振れる。ダウンブローだど幅狭ソールの方が、正確にミートできます。仮に幅広ソールのヘッドで打ったら、バンスが弾かれてしまいます。 今年新発売された『Xフォージドスター』は、契約フリーの藤田プロも気に入るほどのいいクラブですね。ある程度のやさしさも備えている。上からヘッドを入れられる選手には使いやすいモデルです。 アイアンが得意なため、FWは3Wしか入っていません。代わりに3Uと4Uを入れいてるのはまるで海外の男子プロみたいです。FW系よりもUT系の方がラインが出せるイメージがあるのだと思います。 シャフトは以前よりもスペックダウンして、1年間戦う上でなるべく負担がかからないようなモデルを使っています。顕著なのが、アイアンシャフト。以前は男子プロが使うようなハードで重い『DG X100』を使用していましたが、現在は『N.S.PRO 950GH neo S』に変更しています。同じ手元が軟らかいタイプなので、振りやすいと思います。ただ、中調子で多少しなり戻るので、以前より楽に球が上がるはず。 以前から手元調子系シャフトを使う傾向にあったので、ドライバーシャフトも手元が軟らかい中元調子の『N.S.PRO レジオフォーミュラMB+』を使用していますね。全体がしなって動くモデル。彼女はタメが強いので、手元調子が合うのでしょう。 1Wと3Wで使用するヘッドタイプが変わっているのは面白いですね。1Wは重心距離が長い『G430 MAX』で、3Wは比較的重心距離が短くフェースターンさせやすい『Qi10ツアー』を使用。芝から打つ3Wは、フェースコントロールしやすいヘッドを使い、球をつかまえて飛ばしているのだと推察できます。 いずれにせよ自分のスイングに合ったクラブチョイスしている点が、長く活躍できる秘訣なのだと思います。 【藤田さいきのクラブセッティング】 1W:ピン G430 MAX(9度、N.S.PRO レジオフォーミュラMB+) 3W:テーラーメイド Qi10ツアー(15度、 N.S.PRO レジオフォーミュラMB+) 3・4U: ピン G430(19・22度、N.S.PROプロト) 5I~PW:キャロウェイ Xフォージドスター(N.S.PRO 950GH neo S) 50・54・56度:キャロウェイ JAWS RAW(N.S.PRO モーダス3 105ウェッジS) PT:オデッセイ ホワイト・ホット OG ROSSIE S BALL:ブリヂストン ツアーB X ※開幕時のセッティング ■藤田さいき ふじた・さいき/ 1985年生まれ、栃木県出身。2006年にツアー初優勝を飾る。2022年には11年ぶりに「エリエールレディス」で念願のツアー6勝目を飾り話題となった。37歳となる23年でもドライビングディスタンス249.06Yを記録した飛ばし屋。ニトリ所属 ■吉田 智 よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている ◇ ◇ ◇ ●今年はアスリートアイアンが売れているという。関連記事【僕らでも打てるアスリートアイアン27機種‼ 選ぶポイントは『表の顔』と『裏の顔』ってどういうこと?】を読めば、あなたに合うモデルが丸わかり‼