『ときメモ』30周年ライブはファンの熱量に圧倒される奇跡の"同窓会"だった!
そうして始まったライブは、金月さんの「だからっ!」、鉄炮塚さんの「Hero」、黒崎さんの「ゆかりとランチ」、津野田さんの「薔薇の吐息」と4曲が続いた。ソロ曲によっては、ほかのキャストがバックダンサーになる演出もあり、観客を終始飽きさせない。 4曲ごとのソロパートの合間には、ゲーム画面を再現した映像が流れる構成になっており、『ときめきメモリアル』のキャラクターたちが実際のゲームのように客席に語りかけてくる。この映像は主人公(プレイヤー=観客)が「きらめき高校」で開催されている音楽祭に参加しているという設定で、ボイスもすべて新規収録。今回のライブのための豪華仕様となっていた。 次の4曲は、栗原さんの「雨のちまた雨」、よしきさんの「初詣 LOVE MOTION」、中さんの「Lunatic emotion」、五十嵐さんの「水の都へ...」。曲が変わるたびに観客のサイリウムの色も各キャラクターのカラーに変わっていく。 『ときめきメモリアル』は大ヒット作ということもあり、1990年代後半には、ヒロインたちが歌う楽曲を収録したCDが多数リリースされ、ボーカル曲だけでも100近い曲数がある。 この2日間の公演ではDay1とDay2でセットリストが大きく異なっており、よしきさんの「初詣 LOVE MOTION」のように今回がライブ初披露というレア曲もいくつか含まれていた。キャストが勢ぞろいしただけでなく、曲のチョイスという意味でも貴重な公演となったのだ。 ■新たな展開を予感させるエンディング 続く4曲は、黒崎さんと津野田さんの「Double Bubble 時代」、うえださんの「ヒヤシンス」、中さんの「Fiesta~赤と黒~」、菅原さんの「Over the rainbow」。そして、曲間の映像では、まさかの「九伊豆戦隊カルトマン」が登場! これは戦隊シリーズのパロディであり、ゲーム内の文化祭で演劇部が発表した出し物としてプレイヤーには有名。 内容としてはクイズで悪の怪人を倒すカルトマンたちの活躍を描いているのだが、怪人もカルトマンも本編のキャストが声を演じた気合いの入りようで、当時からまさに"カルト"な人気を誇っていた。このうれしいサプライズに客席からは「ウォー!」という歓声が上がる。 それから関根さんの「風よ」、笹木さんの「Sincerely~素直になりたい~」、栗原さんの「内気な眠り姫」、うえださんの「女々しい野郎どもの詩」と再び4曲が披露された。 特に今回の出演者の中で唯一の男性キャストであるうえださんの歌う「女々しい野郎どもの詩」は、ゲームのバッドエンド曲(彼女ができなかったときに流れる)であり、哀愁漂う歌詞の内容も相まって長年の人気ナンバー。この曲を聴くと、いろんな思いが往年のプレイヤーたちの胸に去来するからだろうか、客席にはヒロイン役の方々の楽曲とは違った雰囲気の一体感があった。