尹氏、弾劾審判に臨む意向か 与党は早期退陣求め説得 韓国
【ソウル時事】韓国最大野党「共に民主党」が提出を予定する尹錫悦大統領の弾劾訴追案の採決が14日に迫る中、与党「国民の力」は尹氏の身の引き方に苦心している。 2月または3月の早期退陣を求めるとの意見をまとめて尹氏の説得に当たっているが、報道によれば、尹氏は退陣せず弾劾審判で「非常戒厳」の違法性を争う意向。党内でも弾劾案に賛成する議員が出ており、結束に影響が及ぶ可能性がある。 11日付の保守系紙・朝鮮日報は、尹氏に近い関係者の話として「大統領は早期退陣ではなく、弾劾状態で憲法裁判所の審理に臨むという考えを固めた」と伝えた。 尹氏退陣の具体策を話し合ってきた与党は「(来年)2月退陣・4月大統領選」「3月退陣・5月大統領選」という二つの案をまとめた。政局安定化を話し合う党のタスクフォースの李亮寿委員長は11日、「きょうからは大統領を説得する時間だ」と記者団に説明した。 弾劾案の可決には、在籍議員(定数300)の3分の2以上の賛成が必要。野党や無所属など192人に加え、与党から8人の造反が出れば可決となる。7日には、ほとんどの与党議員らが採決を前に一斉に退場し、投票が規定数に満たず廃案となった。 与党の集団ボイコットに向けられた世論の視線は厳しく、党内では14日は投票すべきだという声が徐々に強まる。前回、賛成票を投じた2人に加え、11日までに3人が賛成する意向を表明した。 国民の力の韓東勲代表としては、与党が退陣時期を決めることで、野党に主導権を握らせたくないとの考えがあるもようだが、圧倒的な世論に押され、弾劾しか方法がないという見方も出ている。弾劾可決ラインが目前に迫る中、党内での駆け引きも激しくなっている。