【デーブ大久保コラム】日本ハムが好調な理由を考察。新庄采配に選手が驚かなくなった
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 いよいよ交流戦が始まりました。このコラムを読んでいただいているときは1、2試合が終わっていますよね。その交流戦が始まる前という前提で、パ・リーグの前半戦の総括をしたいと思います。 【選手データ】新庄剛志 プロフィール・通算成績 もちろん、ソフトバンクが強いのは分かっていましたが、実際にシーズンが始まり「やはり」という流れですね。一方で、個人的にサプライズなのが日本ハムです。私は順位予想で下位にしていました。貯金ができるほど勝つとは思っていませんでした。新庄剛志監督、選手、関係者の皆さん、そしてファンの皆さん「すみません!」。貯金もしっかりとある立派な2位で交流戦を迎えました。 ここまでの戦い方を見ると、後半戦に入っても大きな負け込みはないだろうな、という型が出来上がっています。まず、打線で大きいのはアリエル・マルティネスが四番で安定した成績を残せていることですね。打率自体は2割5分ほどですが、出塁率は3割3分ほどと高く、得点圏打率も3割3分台。チャンスに強い打撃をしていますよね。こういう軸がいると安心できます。 そこに三塁で起用されている郡司(郡司裕也)が、マルティネスと同じくらいの成績を残しています。こういういやらしいクリーンアップに、首位打者争いに名乗りを上げている田宮(田宮裕涼)が五番や六番を打つんです。こんな厄介な打線はありませんよ。この3人とも登録が捕手というところがデーブ的には非常にうれしいですね。打てるキャッチャーでもあるわけですから。そういう捕手も内野で使う新庄監督の発想も素晴らしいでしょうね。 昨年までは、松本(松本剛)と万波(万波中正)の2人のイメージが非常に強かったのですが、今年は彼らが脇役になりそうな勢いです。チームが強くなるときは、やはり新しい風が吹くことは大いにしてありますよね。 投手陣もそうです。伊藤(伊藤大海)と加藤(加藤貴之)の2人のイメージが強かったのですが、そこにFAで加入した山崎福也が期待どおりの活躍をしてくれています。5勝ですか! しかも貯金がつくれている。さらに北山(北山亘基)が頑張って3勝しているのですから、貯金は十分にできますよね。(※山崎福也は5月30日の阪神戦で6勝目を挙げた) それと同時に、この活躍の裏には、あの新庄監督の采配に3年目で慣れた選手たちがいるのだと思います。ほかのチームからしたら「何でこういう采配をするの?」といまだに思っているのかもしれません。しかし、日本ハムの選手たちは「そういう采配でいくんだな。だったらこう動こうか」という準備ができているのではないかと思います。 2年間、選手たちを翻弄したかもしれない新庄監督。ただ、その采配に耐性ができ、さらに先のプレーまで見越せるようになってきたのでは、と思うんです。ソフトバンクの牙城を崩すのは厳しいですが、その采配と勢いのある選手たちで、後半戦も食らいついてほしいです。
週刊ベースボール