少年院から高卒目指す取り組み拡大…通信制高校に入学、再犯防止や就職を後押し
RITA学園高校(香川県)はこれまでに5人を受け入れた。少年院にいることを他の生徒から指摘されたり、SNSで拡散されたりしないよう、面接指導は集団ではなく個別で対応するなど配慮しているという。人見敏史教頭(47)は「『高校を卒業できた』という自信をつけてもらえるよう、きめ細かく配慮しながら受け入れている」と話す。
「少年院出た後」課題
課題となるのは、非行少年らの勉強意欲をどう高め、維持するかだ。
同省によると、23年に少年院を出て、復学や進学が決まったのは6%にとどまった。当面の自分の生活費を稼いだり、被害者への賠償のために仕事をしたりして、勉強にかける時間的な余裕がないケースもあるとみられる。
少年らが少年院にいる期間はおおむね11か月。この間は、法務教官が見守っているものの、少年院を出た後は、自ら勉強を進める意欲を保つ必要がある。
伊藤茂樹・駒沢大教授(教育社会学)は「学校や勉強に苦手意識が強い非行少年は少なくないものの、学力を身につけて職に就けば、安定した収入を得ることができ、ひいては被害弁償にもつながる」と強調する。その上で、「少年院での指導の中で進学への動機づけを行うとともに、少年院を出た後も手厚いサポートを続ける工夫が必要だ」と話している。