もろい地盤と地表から600メートル下の圧力、難工事を経て貫通の「青崩峠トンネル」 開通後は歩いて行けない内部に興味津々
飯田市南信濃と浜松市との県境で建設が進む三遠南信道「青崩峠トンネル」(仮称)の工事現場で11日、飯田市が親子見学会を開いた。人材難の建設業界に、幼いうちから関心を深めてほしいと企画。市内の児童と保護者計38人が、普段は立ち入れないトンネル内の県境部分を見学した。 【地図】青崩峠トンネルはここ
親子たちは南信濃地区の中心部から車で15分ほど移動し、坑口から約2・8キロ先の県境に到着。掘削途中の写真を見ながら、建設業者らから、昨年5月に貫通するまでの苦労や工事のやりがいを聞いた。もろい地盤や地表から最長で約600メートル下の土の重みに悩まされながら工事を進めた、という。
トンネルは自動車専用で、開通後に歩いて訪れることはできない。龍江小学校1年の田中結愛(ゆあ)さん(7)は父親の一也さん(36)と訪れ、「大きな機械を見られて楽しい。車で来られるようになったら家族と通りたい」と話していた。
同市は2022年度から、建設土木担当の市職員が高校で出前講座をするなど、建設業界の魅力を若者に伝える取り組みを始め、今回初めて小学生向けに企画した。