山下美夢有、竹田麗央、原英莉花…過去最多の日本勢が参加! “米女子ツアー予選会”の仕組みを解説
米国東部時間8日午後5時(日本時間9日午前6時)に、今年の米国女子ツアー予選会はエントリーの締め切りを迎えた。日本勢も多数参加する来季の“出場権争い”について、このタイミングで一度整理してみよう。 3年前には渋野日向子も参加 予選会突破直後の様子は…? この予選会は、米国女子ツアーでは『Qシリーズ』と名付けられている。日本のゴルフファンであれば『QT』という名前が耳なじみあるかもしれないが、来年の出場試合を確保するための試合で、目指すものは同じだ。 Qシリーズは3段階に分けられており、どこから参加するかは、定められた期日時点の世界ランキングや、主戦場での今季ランキングなどに応じて決まる。最初に行われるのが1次にあたるプレ予選会で、こちらはすでに8月22~25日にカリフォルニア州のミッションヒルズCCで実施された。 ここには世界ランク401位以下の選手らが参加し、結果的に87位タイまでに入った100人が次のステージに進むことができた。日本からも8人が参加し、アマチュアの19歳・伊藤二花、米ツアー経験を持つ山口すず夏や、横山翔亜、深谷琴乃の4人が突破。第一関門をクリアした。 そして来週15~18日には、2次にあたる予選会がフロリダ州のプランテーションG&CCで行われる予定だったが、ハリケーン接近のため日程変更することが発表された。8月13日時点で世界ランク400位以内だった選手や、今季の米女子下部エプソン・ツアーでプレーした選手の多くらが、ここからの参加が可能になる。出場者は2つのコースを使用する4日間72ホールのストロークプレーで上位を目指していくことになるが、まだ代替スケジュールも未定とあって、状況を注視するよりほかない。 前述したプレ予選会突破者はもちろん、日本からも原英莉花、神谷そらが出場を表明している。また今季のエプソン・ツアーを戦い、ポイントランキング36~125位だった選手が来季米国でプレーするためにはこの予選会から参加する必要がある。日本勢ではランク38位の長野未祈や、同52位だった谷田侑里香がそれに該当する。 ここを通過すると、いよいよ最終予選会が待ち受ける。12月5~9日開催で、昨年と同じ米アラバマ州のマグノリア・グローブGCが舞台だ。ここにはこれまでの予選会通過者に加え、今季のLPGAツアーで来年の出場権を確保できなかった選手や、現地10月8日時点の世界ランク75位以上の選手らも参加。ちなみに、ここには“プロ”しか出られないため、アマチュア資格は予選会を受ける時点で返上する必要が出てくる。 日本からは世界ランク資格で日本ツアー2年連続女王の山下美夢有や、今季メジャー2勝を含む7勝の竹田麗央、さらに明愛&千怜の岩井姉妹が事前にエントリーしたことを表明している。また今季エプソン・ツアーのポイントランクを18位で終えた馬場咲希も、来年米国で戦うにはここの突破を目指す必要がある。さらに今季LPGAツアーでルーキーイヤーを送っている吉田優利も、現時点でポイントランク132位にいて、まだ来年の出場権が見えていない。本人も「夏ごろからQTの準備を進めてきた」と話しており、状況次第では馬場とともに2年連続でここからツアーメンバー入りを目指すことになる。 昨年は6日間108ホールを実施したが、今年から5日間90ホールに短縮される。さらに昨年までは45位以内に入れば、ツアーのメンバーカードを得ることができたが、今年は25位以内と門戸が狭くなった。それでもここに参加することでトップカテゴリーへの道が開くのはもちろん、仮に25位以内に入れなくてもエプソン・ツアー出場権は確保できるため米国進出への足がかりにもなる。過去最多の日本勢出場が見込まれるため、注目を集めること必至だ。