BYDが日本で新型EVセダン、販売強化目指す-値上げなどで低迷
(ブルームバーグ): 中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)は25日、新型セダン「シール」を国内で25日から発売すると発表した。昨年の日本進出以降、積極的なディーラー網の構築や広告戦略に取り組んできたものの販売台数は低迷しており、ラインアップを増やして新たな客層の取り込みを図る。
発表資料によると、シールの価格はベースモデルで528万円(税込み)。販売記念のキャンペーンとして先行1000台は特別価格495万円が適用されるほか、ETCやドライブレコーダーなどの装備が特典として付与される。満充電からの航続距離は640キロメートルとなっているが申請中で事前の告知なく変更される可能性があるとしている。
米テスラとEVの覇権争いを繰り広げるBYDは2023年1月に日本市場に参入。第1弾としてミドルサイズの多目的スポーツ車(SUV)「ATTO3」、昨年3月にコンパクト車「ドルフィン」を投入。今回で参入時に投入を表明していた3車種が出そろうことになる。
日本自動車輸入組合の発表資料によると、BYDの23年度の新規登録台数は2026台。EVで国内で最も売れている日産自動車の「サクラ」の販売台数3万4083台を大きく下回っている。また、3月からATTO3の値上げに踏み切ったこともあり、4月は前年同月比26%減、5月は同28%減と足元で大きく数字を落としていた。
BYDは参入時の会見で25年末までに日本全国に100店舗以上の販売網を構築する方針を示していた。また女優の長澤まさみさんを起用したテレビコマーシャルも放映するなど日本市場の開拓に力を入れている。
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Nicholas Takahashi