ワイヤレスイヤホンはテレワークをする上で、重要なアイテムになった。

オフィスを離れて働くリモートワーク（テレワーク）が、今ではビジネスパーソンの新しい働き方の選択肢の1つになった。 【全画像をみる】Shokz新型「OpenFit Air」レビュー。テレワーク時代の「仕事にあうイヤホンの選び方」 ワイヤレスイヤホンは、リモートワークに欠かせない定番のツールだ。 特にコロナ禍の最中には、電気的な処理で環境ノイズを消せるアクティブ・ノイズキャンセリング搭載のワイヤレスイヤホンが好評を博した。 ところが、最近では「耳をふさがないワイヤレスイヤホン」がヒットしているようだ。考えられるヒットの理由が大きく2つある。

耳をふさがないイヤホンが歓迎された理由

アクティブ・ノイズキャンセリング搭載のワイヤレスイヤホンは、その多くがシリコン製のイヤーピースを耳に挿入して得られる「耳栓」効果も含めて外音を遮断する。 そのうえでノイズキャンセリング機能をオンにすると、周囲の音がほぼ聞こえなくなる。ユーザー自身は通話音声やコンテンツのサウンドが聴きやすくなる。 だが、オフィスや家庭で使うと周囲の呼びかけにも応えられず孤立してしまう。 また、長時間に渡るオンライン会議でワイヤレスイヤホンを使う場合、バッテリー容量と同じぐらい装着感の良し悪しも気になってくる。 耳栓タイプのイヤホンは窮屈に感じられるという声は筆者の周囲からもよく聞こえてくる。 そんな人に筆者が耳をふさがないワイヤレスイヤホンを勧めると、「音楽や通話音声と一緒に環境音も自然に聞こえるし、装着時の負担も軽くなる」と満足してもらえる。 耳をふさがないワイヤレスイヤホンは、今でこそさまざまなブランドがこぞって新製品を発売しているが、今から数年前のコロナ禍当初にはそもそも選択肢が少なかった。 ただ、その頃からユーザーから絶大な支持を得ていたブランドがある。アメリカのShokz（ショックス、旧AfterShokz）だ。

骨伝導vs空気伝導：それぞれのメリットは？

ショックスは、骨伝導と呼ばれるオーディオの伝送方式を採用するワイヤレスイヤホンを数多く揃えるブランドだ。 骨伝導とは音の源である振動を内耳の小さな骨に伝えて、音を送り届ける技術だ。イヤホンに内蔵する振動素子をこめかみの近くに当て、内耳の骨を振動させて音を届ける。 耳をふさがずに装着できることから、ランニング時の「ながら聴き」に最適なスポーツ用イヤホンとしても親しまれている。 骨伝導イヤホンは、耳をふさがずに装着するイヤホンの中では「音漏れ」が少なく、ハンズフリー通話の音が周囲に漏れ聞こえる心配が少ないことが特徴だ。 代わりに音楽などを聴くと、少し低音が聞こえづらい印象がある。小刻みに続く振動が苦手という人もいる。 そんな中、骨伝導イヤホンの不得手をカバーする、空気伝導という伝送方式を採用するイヤホンが近年台頭してきた。 空気伝導とは、イヤホンのドライバーから生まれた音波が空気を介して外耳道に伝わり、鼓膜を振動させて音を伝える技術だ。 特に目新しいオーディオの技術ではなく、スピーカーシステムや大きなヘッドホンで聴くサウンドも基本的には空気伝導だ。 ワイヤレスイヤホン向けに小型化する技術が確立されたことで、耳に超近接させて音を聴くワイヤレススピーカーが現実になった。